新型コロナウイルスの感染拡大で、自宅療養者が急増しています。対応にあたる保健所では、人手不足を補うための対策を進めています。愛知県岡崎市の保健所を取材しました。

 連日、感染者の対応に追われる各地の保健所。岡崎市保健所でも、5千人ほどの自宅療養者のケアを行っています。

 4日前に7万人を超えた愛知県の自宅療養者は、26日の時点で7万5298人。このうち岡崎市では、5千人ほどが自宅で療養を続けています。

(リポート)
「こちらの部屋は、陽性になった方に一番最初に電話をかける『ファーストタッチ』を行っている部署ですが、3つの机のうち2つが民間の応援で成り立っています」

 新規感染者に対しては保健所から電話をかけ、体調などの聞き取りをしますが、感染の急拡大を受けて保健所の職員だけでは対応しきれず、民間の派遣スタッフに業務を委託。

 他部署からの応援に加え、民間の派遣会社からの40人も合わせて、従来の倍の人数となる120人体制で電話対応にあたっています。

 血中酸素濃度を測るパルスオキシメーターは、従来は職員が配達していましたが、民間の配達に切り替え、負担軽減をはかっています。

岡崎市保健部保健企画課の担当者:
「患者さんの数は7月の第2週あたりから爆発的に発生しております。保健所の職員だけで対応することには限度がありますので、保健所の職員がやるべき業務と、外に出せる業務は外に出して、それを見直しさせていただいて、第7波をなんとか乗り越えたいと思っております」

 委託できる業務は民間に任せ、職員は重症化しやすい高齢者などの対応にあたる。限りある力を振り分ける工夫が進められています。

 民間のサービスが生かされず、職員の負担が増えているものもあります。

岡崎市保健部保健企画課の担当者:
「(7月に入り)今までの依頼の約3倍ぐらいに増えています。1日に多い時は4件から5件、依頼が入っています」

 岡崎市が2021年1月から始めた食料品や飲み物などの「買い物代行サービス」。2022年4月の依頼は8件でしたが、7月は27日までに32件と、依頼が増え続けています。

 利用する人は、主にネットスーパーなどを利用したことがない高齢者が中心で、中には家族全員が感染してしまい外出できず、依頼してきたケースもあります。

岡崎市保健部保健企画課の担当者:
「陽性患者になった時に、色んな不安なことが多いと思います。少しでも市民の皆さまの不安を解消できるように、引き続き市民の方のご意見を聞きながら、安心安全なサービスを提供させていただきたいと思っております」

 感染が拡大する以上、避けて通れない自宅療養者数の増加。感染してしまった時にいかに生活を守るか。ウィズコロナの新たな対策が必要となっています。