心不全で急逝した瀬戸勝登選手と共に甲子園へ

<全国高校野球選手権愛知大会決勝 愛工大名電7-4東邦(岡崎レッドダイヤモンドスタジアム)>

 7月30日、愛工大名電高校が東邦高校を破り、2年連続14回目の夏の甲子園出場を決めた。

 決勝戦が始まる直前、愛工大名電が円陣を組んだ。7番左翼手で先発出場した美濃十飛選手(3年)に話を聞くと、「(瀬戸)勝登とみんなで一緒に戦うぞと、気持ちをひとつにして試合に入るようにしました」と、今年6月に心不全で急逝したチームメイト・瀬戸勝登選手(3年)と共に戦いに挑んだことを明かした。

 美濃選手は、同じ外野手だった瀬戸選手のグローブを使用し、この試合ではレフトとライトの守りについた。

 試合は終盤まで緊迫した展開だったが、3-3で迎えた8回に、愛工大名電が2点を勝ち越した。9回にも2点を追加し、7-4で勝利した。

 そして、美濃選手は、閉会式で瀬戸選手の写真を手にしていた。

「甲子園出場が決まったので、まずは勝登にありがとうと言いたいです。試合中もずっと空を見たり、何かある事に空を見たり、グローブを見たりして、勝登と一緒に戦っているつもりでいました。まずは勝登にありがとうと言いたいです」

 全員で掴み取った甲子園への切符。瀬戸選手と共に戦う夏はまだ終わらない。

「甲子園も勝登と一緒にという気持ちをしっかり持って、一戦一戦戦っていきたいと思います」