2022年もシーズン序盤は不漁となっていまするサンマ。脂がのった身はもちろんですが、ほろ苦い内臓まで美味しく食べられます。

 理由は「内臓の中にエサが残っていないから」だということです。

 魚の内臓の臭みの主な原因は、消化しきれていないエサが残っていることですが、サンマの内臓にはエサが残っていません。その理由は大きく2つあります。

 まず「サンマには胃がないから」。水産研究・教育機構研究員の冨士泰期さんによりますと、サンマは胃がない魚で、まっすぐ伸びた消化管で食べたものを直接吸収するため、他の魚に比べて消化のスピードが速いといいます。

 2つ目は「秋にエサを食べないから」です。冨士さんによりますと、サンマは6〜7月に北の海に向かいたくさんエサを食べます。夏の間に成長したサンマは、秋になって産卵のため南下してきますが、この時期はほとんどエサを食べません。

 夏場には多くて4〜6gのエサが消化管に残っていますが、秋には1g未満になります。つまり、秋のサンマは内臓に未消化のエサがほとんど無く、なおかつ脂を最も蓄えた状態になるので、身も内臓もまるごと美味しく食べられるということです。