新型コロナや円安などの影響で今、食品が高騰しています。そんな中、同じように駄菓子の値上げも止まりません。チロルチョコが9月5日から値上げすると発表しました。
値上げだけでなく、対応も複雑になると、店も困惑しています。

菓子問屋たつやの近藤さん:
「ここまで一気に値上げというのはないですね。(これまで)ジワジワ上がるのはもちろんありましたけど」

 名古屋市西区の菓子問屋「たつや」。およそ500種類の駄菓子を扱っていますが、この秋「ポテトチップス」や「じゃがりこ」など、およそ3割の商品が1割ほど値上げになるといいます。

 またチロルチョコによりますと、5日から「5品目の参考小売価格を引き上げる」と8月に発表。現在1個税抜き20円で販売している定番の「コーヒーヌガー」や「ミルク」などは、3円値上げして23円に。背景にあるのは、原材料や包装資材の価格高騰に加え、輸送費が増えたことがありますが、実に29年ぶりの値上げです。

【動画で見る】『チロルチョコ』29年ぶりの値上げ 駄菓子店にも押し寄せる“値上げの波”

近藤さん:
「先月の仕入れでやっているので、うちとしてはまだ旧価格になっていますから、今のところはこのままでいって」

 この菓子問屋では、次の仕入れのときに新しい価格で販売する見通しです。

 チロルチョコを含め、これまでにない多くのお菓子の値上げ。レジでの値段設定の変更はそれぞれ店側で。値上げする商品も数が数なだけに、時間と手間がとられ大きな負担になっています。

近藤さん:
「チェックする商品が多すぎて、頭がパンクしそうなんですよ」

 こうした値上げに、街の駄菓子店では…。

地球堂の栗田さん:
「みんな原材料が上がっているから(値上げは)しょうがないんでしょ」

 レジの前にはチロルチョコ。すると男の子が…。

小学生:
「チロルチョコ、この種類はまだ1回しか食べたことない」

 取材した9月2日はまだ値上げ前、1個20円で買うことができました。ここで、チロルチョコの値上げについて伝えてみると…。

小学生:
「え、そうなんだ…中途半端。23円になると(30円出すと)7円余るとかなっちゃうから、めんどくさい!」

 細かな値上げでお釣りの計算が複雑に。たかが数円、されど数円…。子供たちにとって値上げは一大事です。

母親:
「駄菓子屋さんって子供の計算の練習じゃないですけど、『何個買える?』とかできたのが、ちょっと細かくなるとそれがしづらくなるのは、ちょっとかわいそうだなと思いますね」

地球堂の栗田さん:
「うちは現金オンリーだから、細かいのはちょっとね。仕入れ値が上がっても上げられないものもあるし、どこかで調整するしかないのかな」