9月23日は秋分の日、彼岸の中日です。墓参りの花と言えば「菊」ですが、2022年はその値段が高騰しています。

 23日、名古屋市千種区の平和公園では、朝から雨の中、墓参りをする人たちの姿が。墓前には菊の花が供えられていますが…。

平和公園案内所の担当者:
「これ(1本200円)の倍はいきました」

 実は今、この菊の価格が高騰。この販売所では現在1本200円で売っていますが、この夏ピーク時は400円に。その理由は…。

平和公園案内所の担当者:
「菊自体、出荷があんまり出てこなかったんじゃないかな」

 一体、菊に何が起きているのでしょうか。

菊の生産者:
「高くなっとる。65年近くやっとる、過去にないくらいだわ。平均1本50円くらいのやつが100円はいっとる」

 名古屋市中区の市場でも、仕入れ値が例年の倍になっていました。

中京花き園芸農協の組合長:
「円安と天候不順」

 理由の1つはこの夏の猛暑。出荷が遅れて、まだ流通量が少ないといいます。

 また近年は、国内の菊のおよそ2割は海外からの輸入ものですが、これに記録的な円安が直撃。輸入量が減少し、菊の卸価格は全国平均で3割ほども上がりました。

 こうした中、お彼岸で需要が急増し、価格が高騰しているといいます。さらに…。

菊の生産者:
「東京で花がとられて、また高くなるかもわからんわね」

 市場関係者が口にするのは、27日の安倍元総理の「国葬」への懸念です。式壇の飾りや献花に、合わせて7万本もの菊が用意される計画。

 東京の市場がメインですが、東海地方の価格にも影響が出かねないといいます。

中京花き園芸農協の組合長:
「一にも二にも、出荷量と需要、消費のバランスです。このバランスをどう整えていくかというのが業界の問題でもある」