円安が止まりません。円相場が一時、1ドル=147円台後半まで下落し、およそ32年ぶりの円安ドル高水準を更新しました。この地方でも思わぬ影響が出ています。

 13日午後9時半過ぎ、円相場が「147円台」に突入。さらに13日夜の間に147円台後半をつけ、1990年8月以来およそ32年ぶりの円安水準に。

 アメリカの9月の消費者物価指数が、予想を大きく上回り大幅な利上げが続くとの見方が強まったのが、円安加速の理由です。

鈴木財務相:
「為替市場の動向を、高い緊張感をもって注視しているところであります」

 記録的円安の影響は東海3県にも…。

 代表的な観光スポット・名古屋城。14日訪れてみると、外国人観光客の姿が…。ベルギーから旅行で来たという一家に「円安」の影響を聞くと…。

ベルギーからの観光客:
「円安は僕たちにとっては良いけど、日本にとっては良くないよね。食べ物も飲み物も安い。僕たちは日本経済を支えるために来たんだ」

 ユーロも、14日1ユーロ=144円を記録するなど、ドルを上回る円安に。この家族は、今回は大奮発の22日間の日本旅行だということです。

 円安は、ドル・ユーロにとどまらず…。

スイスからの観光客:
「今は(1フラン=)140円、150円近いです。2年前は120円くらいかな。(お土産など)安いからこれから買おうと思います」

 高まる円安でのインバウンドへの期待。土産物店では…。

名古屋城の売店担当:
「前回(先月)の(水際対策)緩和あたりから、ちょっとづつ外国のお客さまが増え始めまして、この間の3連休に関しましては鈴鹿でF1があったこともありまして、いつもに比べてかなり多くの外国人のお客さまがおみえになられました」

 円安に9月・10月の水際対策緩和も相まって、外国人観光客が増えているのを既に実感しているといいます。

 そして、おみやげの買い方にも変化が…。

名古屋城の売店担当:
「外国人に人気のお土産はこちらのマグネットですね。おひとりでこういった小物を20〜30点くらい買われた方もいらっしゃいました。こちらの陣笠を買われた方もいらっしゃいましたね。かなりお値段的にも張るんですけど。40ドルちょっと、前だったら50ドルとか。かなり皆さま勢いよく買われているなと感じます。『ちょっと興味があったら買ってしまえ』みたいな雰囲気は感じます」

 名古屋市東区の「加藤珈琲店栄店」は、20年以上前から、テイクアウトのコーヒーを1杯1ドルで販売するユニークなお店ですが、14日は過去最高値の146円に。過去最も安かった2011年の「76円」と比べ、ほぼ倍の値段です。

加藤珈琲店栄店の店長:
「ここ2~3カ月ぐらいはお客さんも敏感になって、『今日は1円上がったね』とか『下がったね』とか、相場についてのコミュニケーションが増えました」

 とどまることを知らない「円安」。その影響が各方面に広がってきています。