SNSの「いいね」ボタンの使い方を巡って、三重県の条例が改正される見通しとなりました。きっかけは、一人の県議会議員によるSNS上の度重なる問題行動でした。

 SNSの投稿へ賛同したときに押す「いいね」ボタンを巡り、三重県で…。

(リポート)
「県議の“いいねボタン”の使用に、一定の制限がかけられることになりました」

 きっかけは…。

小林貴虎三重県議(10月14日):
「このような形で議会を巻き込むようなことで大変ご迷惑をおかけしておりますことを、深く反省し謝罪いたします。すみませんでした」

【動画で見る】同じ自民党県議の“度重なる問題行動”受け…SNSでの県議の「いいねボタン」使用 三重県議会で一定の制限へ

「国葬反対の8割は隣の大陸から」などとツイッターに投稿し、その後に撤回した自民党の小林貴虎議員。

新政みえの三谷三重県議:
「あなた、これ3回目なんですよね。あなたの感覚の中に、反省とか人権とかっていう言葉はあるんですか」

小林貴虎三重県議
「非常に深く反省をしております」

 小林議員のSNSを巡る問題は、初めてではありませんでした。

 去年、同性カップルの男性の住所を無断でブログに公開。

 さらにツイッター上で、そのカップルを中傷する投稿に「いいね」を押して問題となっていました。

 これをきっかけに改正される見通しの「政治倫理に関する条例」案には、第三者が行った人権侵害行為に対する「賛成意見の表明」や「助長する行為」をしてはならないと明記。つまり、県議会議員がSNS上の差別的な投稿に「いいね」を押すことや引用することなどが禁じられます。

 条例改正を進めてきた小島智子議員は…。

小島智子三重県議:
「倫理基準の中に人権侵害等の考え方が、時代もありまして入っていないということが問題だと捉えました。三重県議会の信用というのは本当に残念ながら失墜しているというか、低くなっていると思いますけれども。県民の皆さんに私どもが(改正条例で)お約束をして、しっかりとした人権意識・倫理意識を持って県政各派に渡って課題解決にあたりますということです」

 今回の条例改正案に、県民は…。

三重県民:
「いちいちそれで問題になるぐらいなら、ルールにしてもいいと思います。ちょっとさみしいって感じがします」

別の三重県民:
「ルールをいちいち作らないといけないというよりかは、ちゃんとモラルというものを考えてやってほしいなというのが一番なので」

 11月下旬の本会議で、成立する見通しです。