新型コロナとの向き合い方が徐々に変化し始める中で、“第8波”は前回よりも感染者が増えるとの見方もあります。第8波はいつなのか、そして行動制限はあるのでしょうか。

尾身会長:
「今回はかなり高い波といいますかね、感染者がかなり多く出るのではないか」

 13日、政府の新型コロナ対策分科会の後に開かれた会見で、尾身会長が口にした“第8波”についての発言。この中で第7波を越える可能性があるのではないかとの見通しを示しました。

 第7波が収まりつつある中、先週から始まった「全国旅行支援」と「水際対策緩和」。東海3県の観光地も多くの人出がみられました。

 人の流れが増えれば感染者も必然的に増える…。愛知県の感染者数をまとめたカレンダーを見ても、前の週の同じ曜日から増えたことを示す赤い数字が、先週の中ごろから続いています。

 尾身会長の第8波への警鐘。街の人はどう受け止めたのでしょうか。

街の人:
「(第8波が)来ちゃうと困っちゃう。幼稚園もあるので、かわいそうだなと思います」

別の人:
「怖いは怖いですね。私は年を取ってるでしょ、きっちりとマスクをして、きちっと守ってやっているぐらいですね」

 第6波や7波の時とは異なる意見も聞かれました。

街の人:
「道を歩いているときは(マスクを)ほとんどしないですね。口を開けなければ感染しないはずで、手についたりしてそのまま口に入るのであれば手洗いすればいいし。マスクしていればOKというのは逆に危険かなって」

別の人:
「今の感じで続けていって、あとはマスクを外すだとか、そういったところがいつ解除されるかなってところじゃないでしょうか。(Q.会社で飲み会や忘年会は?)去年はなかったですね。今年はやる方向だとは思うんですが」

 感染を抑制しながら、経済を回していく…。第8波の到来を前に、受け止め方も変わりつつあります。

名古屋工業大学の平田教授:
「横ばいが続くのではないかと考えています。12月ごろから再び上昇に転じる可能性があります」

 そう話すのは、AIで感染者数を予測する研究をしている名古屋工業大学の平田晃正教授。最新のAI予測では、12月中旬ごろから急増し、1月中旬にピークを迎えると予想。

 去年並みの人出を想定した青い線、そして人々の行動が去年より活発になったと想定した赤い線、双方ともに流行する時期は同じと見ています。

平田教授:
「年末年始の忘年会・新年会に加えて、帰省であったり親しい友人と会ったり、いろいろなイベントがあります。そして成人式も今年は開催される可能性がありますので、その後ぐらいにピークをつける可能性がある」

 政府の分科会も、年末のイベントが増える時期に第8波が来ると予想していて、この点でAI予測も一致していますが、異なるのはその『数』。

 第7波を超えることはないというのが平田教授の見解です。

平田教授:
「第7波でかなりの方が感染されて、接種後に感染した場合には免疫が高まり、その免疫がワクチンだけに比べて長続きするという報告もされています。徐々に波が小さくなるのではないか」

 全国旅行支援や水際対策緩和で増えつつある人々の移動については…。

平田教授:
「移動自体のリスクが高いわけではなく、移動先で何をするかの方が重要です。行動次第では、そのピークの大きさは当然変わってきます。感染対策を徹底いただければ、第7波よりも小さくなるのではないかと考えております」

 第8波の課題は、身に着けた感染防止対策で波をできるだけ抑えることだと言えそうです。