円安が続く為替市場で、政府・日銀は24日朝、「覆面介入」を行ったとみられています。円安の流れを食い止めて欲しいとの願いは、大学生からも聞かれました。

 週末から、為替相場の乱高下が止まりません。24日朝8時すぎ、鈴木財務大臣は…。

鈴木財務大臣(24日午前8時過ぎ):
「(Q.覆面介入したという情報があるが?)コメントしません。今私どもは、市場を通じて投機筋と厳しく対峙している状況ですから、そういうことを考えてコメントいたしません」

 先週末の深夜に続いて、24日朝も行われたとみられる政府・日銀の「為替の覆面介入」。

 24日午前8時過ぎは149円台で推移していましたが、午前8時35分ごろからおよそ10分間で145円台半ばまで4円も急騰しました。しかし、その直後に反落。午後4時現在で149円10銭程度で推移しています。

 覆面介入とされる効果も限定的で、なおも続く円安。そんな中、円安で期待されるのは「インバウンド」です。

 24日、中部国際空港に再就航したのは、LCCの「香港エクスプレス航空」です。新型コロナの感染拡大で運休し、およそ2年7か月ぶりの再開。香港ドルに比べても円安が進む中、ほぼ満席の175人の乗客を乗せて到着しました。

香港から来た家族:
「観光目的でナガシマへ。家族で50万円の予算。ホテル代は過去に比べてかなり安かった印象です」

 更なる円安の進行を危ぶむ人もいます。名古屋市中村区にある愛知大学名古屋キャンパスでは…。

(リポート)
「こちらは留学を検討する学生の方が相談する窓口です。今まさに学生の方が相談をしていますね」

 2022年8月から海外留学プログラムを再開しましたが、2023年2月にカナダへ1か月間の短期留学を検討している、法学部1年の柴山和さんは…。

愛知大学法学部1年の柴山和さん:
「(不安な点は)やっぱり金銭面が一番大きいかなと思います。前回のプログラムの費用よりも1.5倍ほど高くなっていて、正直驚きと不安が大きくて」

 急速に進む円安で、留学の費用が予想以上に高騰。この大学のプログラムでのカナダへの留学費用は1か月でおよそ90万円と、コロナ禍前の1.5倍にまで値上がりしています。

柴山さん:
「親も最初にこのプログラム費用を見た時にかなり驚いていた、予定よりもかなり高くなっているので。単発でのバイトを増やしたりとか…」

 費用を工面するため、アルバイトを増やすことも検討している柴山さん。政府・日銀がしたとされる為替介入については…。

柴山さん:
「円高に多少でもなってくれると、自分が現地で使う費用の負担は少し軽くなるので、その点に関してはうれしいかなと思います。自分が行くのが年明けなので、その時期にどうなっているのか、今から想像がつかないので」

「費用の工面が心配」と話す学生たち。コロナの次は円安が留学に暗い影を落とします。

愛知大学国際交流課の担当者:
「現地で生活をしていかなければならないという点で、学生さんにダイレクトに影響がきているのかなという気がいたします。大事な留学のチャンスを円安で逃してしまうと、学生さん達のキャリアの形成にとっても痛手になってくるのでちょっと気の毒ではありますね」