将棋の藤井聡太五冠が、また新たな記録を作りました。20日に行われた「将棋日本シリーズJTプロ公式戦」で優勝し、幼い頃にも経験したことのある舞台で、プロ棋士として歴史を刻みました。

 およそ1500人の観客の前に現れた愛知県瀬戸市出身の藤井聡太五冠。将棋のタイトル保持者など、選抜された12人がトーナメントで競う「将棋日本シリーズJTプロ公式戦」の決勝戦に臨みました。

 相手は2年連続で名人に挑戦している、奈良県出身の斎藤慎太郎八段です。

 将棋日本シリーズは、同時に地元の「こども大会」も行われ、将棋を指す子供にとっては憧れの舞台です。藤井五冠も小学3年生の時、東海大会・低学年の部で優勝し、のちに師匠となる杉本昌隆八段から賞状をもらいました。

 斎藤八段も2002年の岡山大会で優勝経験があり、今回は「こども大会優勝者」同士によるドリームマッチです。

「JTプロ公式戦」は持ち時間10分の早指しで封じ手もあり、時間の使い方が難しいと言われています。

 両者とも得意とする角換わりから斎藤八段が攻めますが、誤算があったようで藤井五冠が優勢に。そのまま押し切り勝利しました。

 こども大会優勝者がJTプロ公式戦でも優勝するのは初めてのことです。また20歳での優勝は、羽生善治九段が持つ最年少記録(21歳2か月)も更新し、快挙達成となりました。

藤井五冠:
「(子供の頃)JTプロ公式戦の対局を見ながら、舞台への憧れの気持ちもあったんですけど。今回プロ公式戦の舞台でも優勝という結果を出すことができて、非常に感慨深く思っています」

 藤井五冠は、これからも将棋を指す子供たちに夢を与え続けていきます。

※画像は将棋日本シリーズ総合事務局提供