
旧統一教会の関係者が、複数の自治体の議会に「特定の宗教との関係を絶つ決議」をしないよう求めて提出した陳情書について15日、愛知県の知立市議会では「不採択」となりました。
15日朝、企画文教委員会の審議のため、知立市議会の議場に集まった議員。そこには旧統一教会の信者の姿がありました。

信者から11月に提出された「思想・良心などの自由を守るため」と書かれた陳情書について話し合われました。
【動画で見る】賛成ゼロで不採択…旧統一教会信者が市議会に「関係絶つ決議」をしないよう求めた陳情書 信者「活動続ける」

きっかけは、今年9月の富山市議会の決議でした。
自民党・久保富山市議:
「富山市議会も藤井市長ならびに当局と同じく、旧統一教会および関係団体と今後一切の関係を断ち切ることを宣言する」

自治体レベルで、旧統一教会との関係を一切断ち切ることを宣言しました。
この宣言を受け、知立市議会に提出された陳情書では「思想・良心の自由、信教の自由に対する侵害」「我が国の民主主義、立憲主義を危うくするもの」として、知立市や市議会に対して「同じような宣言・決議をしないよう」求めています。
実はほぼ同じ文面の陳情書は、豊橋市や一宮市、津市、四日市市などにも提案されています。

15日の委員会で、知立市の信者の男性は…。
<信者の男性>
「市議会において、家庭連合を含むあらゆる宗教に対して、信仰に対する差別を犯すことは憲法上・法律上、絶対にありえないということを明確に判断いただきたい」
「特定の宗教に対する差別は人権侵害だ」と訴えました。しかし、賛成ゼロで陳情書は不採択となりました。

知立市議会企画文教委員会の中島委員長:
「憲法の趣旨だとか信教の自由だとか、そういうところとは少し違う論点になってきたかなと。特定の団体が行っていることは、皆さん国民ないし市民の方も周知の事実ですし、国の動向を見守りながら進めていくのがやはり重要かなと思っております」
佐藤副委員長:
「この陳情はやっぱり批判をかわす、極めて悪質だと。陳情を不採択にしたということは、色んな決議を上げたりとか決別宣言をすることに等しい内容かなと、私は理解をしているところです」
今回の不採択について、「残念です」と話した信者の男性。今後については「まだ活動は続けます。このままでは引き下がれない」と話しました。