岐阜県高山市の田中明市長が15日夜、緊急会見を開き、市の条例で禁止されている「たばこのポイ捨て」をしたことを謝罪しました。一部始終を捉えた映像には、酔っ払ってたばこを捨てる市長の姿がありました。

 暗闇の中、たばこを手にうろつく男性…。路上で喫煙し、火のついたたばこを道路の側溝に投げ捨てました。

 この男性は、高山市の田中明市長(61)です。

高山市の田中市長(15日午後):
「誠に申し訳ありませんでした」

【動画で見る】たばこも市長職も「やめるつもりない」…路上喫煙の高山市長 市条例で禁止の“ポイ捨て”「無意識で捨てた」

 田中市長は15日夜、緊急会見を開き、行為を謝罪しました。

田中市長:
「帰宅時に自宅玄関先において喫煙を行い、その吸殻を自宅前の側溝に投げ捨てたものでございます。酔っ払っていたかと聞かれれば、酔っ払っていたとしかお答えできないんですけれども」

 映像には、おぼつかない足取りでたばこをふかす様子も映っていて、田中市長は「酒に酔い、無意識で捨ててしまった」などと説明しました。

(リポート)
「SNSに投稿された動画には、11月13日と14日に、市長が路上にタバコを捨てる姿が映っていました」

 市長の「ポイ捨て問題」は、動画がSNSに投稿されたことで発覚しました。11月13日と14日の2回のポイ捨て動画が投稿され、市長はこの事実を認めました。

田中市長:
「外で(吸いに)行く場合は必ず…今日だから持ってきたという意味ではなく、こういうの(携帯灰皿)を持っておりますので。ポイ捨てすることが常習化しているかと言われれば、私はないと思っています」

 会見では携帯灰皿を取り出し、常習的なポイ捨てはしていないと主張しました。

 しかし、東海テレビが入手した動画では、11月から12月にかけ、田中市長の自宅の前でたばこをポイ捨てする人物が3度も捉えられていました。

田中市長:
「正直に申し上げて、ポイ捨てしたかどうかと聞かれれば、記憶にないとしか言いようがないです。捨てたことないかと言われれば、ないと断言もできませんし…」

 現職の市長が起こした「たばこのポイ捨て」問題。

 実は高山市では、市内全域でたばこなどのポイ捨てを禁止する条例を2008年に施行していて、指導に従わない違反者には1000円の過料が科せられます。

Q.今回は「田中明市長」から「田中明さん」に出した?

田中市長:
「はい、そのつもりでおります」

 条例に基づき、自らに是正を求めるというなんとも情けない対応に、高山市民からは批判の声が上がっています。

高山市民:
「恥ずかしいですね、市長として。襟を正してもらって、これからないようにしてもらいたいですね」

別の高山市民:
「あんまりよくないな、誰でもよくない。(Q.今後市長にどうしてほしい?)たばこを吸わないでほしい。たばこ大っ嫌い」

 20歳からたばこを吸い始め、1日あたり13本ほど吸うという愛煙家の田中市長は、禁煙について問われましたが、やめない意向を示しました。

田中市長:
「たばこをやめるかについては、ここで『禁煙します』と断言するつもりはないです。これまでも禁煙に努めてできなかったという状況もございますので、ここで(禁煙を)お約束することはできないかなと思っております」

 田中市長は、市長の職も「やめるつもりはない」としています。