三重県名張市で1961年に起きた「名張毒ぶどう酒事件」で、最高裁が再審を認めない決定をしました。

 1961年に三重県名張市で女性5人が死亡した名張毒ぶどう酒事件では、無実を訴え続けていた奥西勝元死刑囚(享年89)が死亡したため、妹の岡美代子さん(94)が再審を引き継いでいます。

 2022年、10度目の再審請求の異議審が棄却され、弁護団は最高裁に特別抗告をしていましたが、最高裁・第3小法廷の長嶺安政裁判長は、「有罪認定に合理的な疑いを生ずる余地はない」として、29日付けで再審を認めない決定を下しました。

 これで第10次再審請求は終了となりますが、今回、最高裁の5人の裁判官のうち1人が「再審を開始すべき」と反対意見を述べています。

 この事件の再審請求で、最高裁の裁判官が反対意見をつけたのは初めてです。

【動画で見る】裁判官5人中1人は「開始すべき」名張毒ぶどう酒事件 最高裁が再審を認めない決定 第10次再審請求が終了