国は、新型コロナウイルスの治療薬や医療提供の体制など、公費でまかなってきた支援を3月末で終了すると発表しました。ワクチンは有料になるほか、治療薬の自己負担額が大きくなることについて医師は、「衝撃的な金額」と話しています。

 名古屋市南区のクリニック「はざま医院」には、咳や発熱を訴え、新型コロナへの感染が疑われる患者が次々と訪れていました。

はざま医院の伊藤院長:
「(陽性者は)1日に1人2人はいますよ。患者さんの全体数は段々減っていると。陽性率も下がってきているという印象です」

 6日の午前中だけで、コロナの疑いで検査した人は9人、そのうち陽性者は2人でした。2024年1月から2月にかけては1日平均5人ほど陽性者がいたといいます。

 新型コロナは2023年5月、5類に移行しました。その後も夏から秋にかけて第9波、年明けにも第10波が訪れましたが、ピークは過ぎたとみられています。

【動画で見る】支援策3月末終了へ…負担額増すコロナ治療薬に医師「衝撃的な金額 購入ためらうんじゃ」ワクチンも有料

武見厚労相:
「現在の感染状況やその対応状況等を踏まえ、4月からは通常の対応に移行することといたしました」

 厚生労働省は、新型コロナの治療薬や病床を確保するための医療機関への補償などの支援策を「3月末」で終了すると発表しました。

 コロナ治療薬の場合、これまで自己負担額最大9000円で処方されていましたが、塩野義製薬が開発し、5日付で国内で初めて正式承認された治療薬「ゾコーバ」は、窓口負担が3割の人は5日間の処方で約1万5500円となり、自己負担額は大きくなります。

伊藤院長:
「ちょっと衝撃的な金額ですよね。(購入を)ためらわれるんじゃないかなと思いますけど…」

 さらに、ワクチン接種もこれまでは無料で受けることができましたが、4月以降は自己負担が必要になります。

40代男性:
「結構高いですよね。安くできるなら安くしてほしいところですけど。かかった時は仕方がないなと思って、それでも(薬を買って)使うとは思います」

50代男性:
「ちょっとした風邪っぽい症状は、自宅で様子見にしちゃったりとかする可能性もあるじゃないですか。症状の初期段階での早めの対応が、遅れてしまうのではないかなという可能性は考えたりします」

伊藤院長:
「コロナもまだまだ死に至らない病になったわけでは当然ないので、相談したうえで飲んだ方が良いということになったら、躊躇わずに金額は大きいですけど、服用していただければと思っています」