名古屋市中村区に、2021年3月にオープンした個性的なキューブパンが評判のベーカリーがあります。パンの中に自家製の豚の角煮や出汁巻き玉子が入っていて、見た目も可愛いキューブパンは、1日1000個以上売れるほどの人気です。
■可愛くてきれい…12種類揃う見た目が可愛いキューブパン

名古屋市中村区の地下鉄中村公園駅から500メートルほどのところにある「コアラのあくび」。全部で12種類ある6センチ角のキューブパンは、見た目も可愛いと評判です。
【画像20枚で見る】元中華の料理人が作る可愛い「キューブパン」

女性客:
「可愛くてきれいなパンなので、食べるのがとっても楽しみです」
男性客:
「10個(購入)です。中身も充実していますし、美味しい」

一番人気は、中に角煮が入っている「本格とろとろ角煮」(390円)です。
■一番人気は「とろとろ角煮」…元中華の料理人のオーナーが作るこだわりの逸品

オーナーの近藤一訓さん(56)は、名古屋市瑞穂区のベーカリー「ポンシェ」に勤める息子が持ち帰ってきたキューブパン『桜餅あんぱん』に着想を得て、この店を開きました。

立方体のあんぱん。その形にすっかり魅せられた近藤さんは、「ポンシェ」のオーナーにその想いを伝え、作り方の指導を仰ぎました。

生地の特徴は、冷蔵中種製法と呼ばれる作り方。0度から2度の低温でこねた生地を一晩寝かせ、当日練った生地と合わせて使うことで、甘く柔らかいパンに焼き上がるといいます。

そんなこだわりの製法で作られるキューブパンの中で、一番人気の「本格とろとろ角煮」の角煮は、近藤さんが中華鍋を振って作っています。

元々中華の料理人だった近藤さんは、その経験を生かしてパンの甘みに負けないよう、とろみの強いタレで角煮を仕上げています。上に乗っている紅ショウガは、見た目だけでなく味のアクセントにもなっています。

その他にも、まろやかな味が特徴の北海道十勝産の小豆を使った「あんぱん」(220円)に、宇治抹茶を練り込んだ抹茶あんが入った「宇治抹茶」(270円)。

生地にチョコレートを練り込んだ「チョコカスタード」(290円)に…。

「プレミアムレモンクリームチーズ」(320円)もあります。

オープン前には12種類のキューブパンが焼きあがります。
■ドリンクの注文で食パン1枚サービス…イートインコーナーでいただく自分好みに焼いたパン

この日は、あいにくの雨でしたがオープン前から開店を待つお客さんが並んでいました。
女性客:
「インスタで見て気になってて。カレーと角煮と玉子とチョコカスタードと食パンとチーズ。6個買いました」
男性客:
「ちょうどいい大きさですね」
中には12種類“全部買い”という人も。平日にもかかわらず、次から次へ飛ぶように売れていきます。

店の奥に併設されたイートインコーナーは、コロナの影響で今はドリンクのみの提供となっていますが、ドリンクの注文で食パンが1枚付いてくるというサービスがあります。

しかも、アラジン、バルミューダ、ビストロの3種類のトースターが用意されています。

水を入れて焼くスチームトースターを使えば、食パンがモッチリとした食感に。客は好きなトースターで、自分好みに焼く事ができます。
■暑い夏はさっぱり「ベビーパイン」…今に満足せず次々に生み出す新作

昼過ぎに、キューブパンの生みの親「ポンシェ」のオーナーシェフの内藤昌弘さん(51)がやってきました。内藤さんは、月に何度か店を訪れてキューブパンの指導を行っています。

本格的なパン作りの経験がなかった近藤さんは、開店まで内藤さんから製法やメニューなど様々なアドバイスを受けました。「最初に話があった時、近藤さんの熱意がすごかった」と内藤さんは振り返ります。
内藤さん:
「やれるやれんよりも、熱意に負けましたね。それとやっぱり50歳も過ぎているから、年齢的に大丈夫かなって心配もありましたね…。だけど、今となったら一番よく仕事しているんで、すごいなって」

この日は、7月に販売を開始した夏の新商品の試作。「フレンチトースト」(290円)は、キューブ状に箱に入れて、様々なソースをトッピングしました。
「ベビーパイン」(320円)は、酸味のきいたパイン入りの餡が、暑い季節らしくさっぱりとしています。既にたくさんの人たちから愛されているキューブパンですが、近藤さんは今に満足をせず次々に新作を生み出していきます。

近藤さん:
「形が面白いじゃないですか…。キューブパンの中にいろんな物が入るなって」
「地域に密着し長くやっていきたい」と話す近藤さん。キューブパンで地域に笑顔を届けます。

「コアラのあくび」は、名古屋市中村区の地下鉄中村公園駅と岩塚駅の間にあります。