新型コロナウイルスの感染拡大で、家で食事をする機会が増え、手軽に簡単に作れる料理のニーズが高まっています。名古屋を代表する中華料理のシェフに、家庭でよく使う身近な食材を使って簡単においしい中華を作ってもらいました。すぐに使えるテクニックが満載です。

■150円の塩ジャケで本格中華…ヒルトンの中華の達人直伝

 ヒルトン名古屋にある「中国料理・王朝」。この道25年の今井伸料理長は、伝統的な中国料理を進化させた”モダンチャイニーズ“を得意とする名古屋が誇る中華の達人です。

【画像20枚で見る】ヒルトンの中華料理長直伝 家庭で使う材料で作る簡単美味しい中華『ユーリンジャケ』

 今井料理長に、一般の家庭でも簡単に1人前500円以下で作ることができる料理を教えてもらいます。揚げた鶏肉に長ネギと醤油ベースのタレをかけた中華料理「油淋鶏(ユーリンチー)」ならぬ、「ユーリンジャケ」。食卓でお馴染みの1切れ150円の塩ジャケを使った、簡単でおいしい「ユーリンジャケ 揚げナスサラダ仕立て」です。そしてシャケに合わせるのが…。

今井料理長:
「美味しいソースをたくさん吸わせたいので、長いナスよりも肉厚で丸々と太った美味しいナスを」

 肉厚な千両ナスに、大葉や太葱、カット野菜、さらに夏らしく香り引き立つミョウガを使います。

■ユーリンソースがしっかり浸み込むように…ナスは手で絞ってスポンジ状に

 まずは、下ごしらえからです。シャケを皮が付いたまま一口大にカットし、コショウで下味をつけます。そして、旨味を閉じ込めるために、卵白と片栗粉でコーティング。こうすることで、仕上がりがふっくらするといいます。

 ナスは皮をしま模様にむき、乱切りにします。水に5分さらしてアクを抜いたら、手で握って水気を抜きます。

今井料理長:
「握ることによって、繊維が壊れてスポンジのような状態に。ユーリンソースをいっぱい吸ってくれる」

 薬味の下準備で太葱は、ペティナイフや果物ナイフを鉛筆のように持ちながら目入れをしてから、みじん切りにしていきます。

 また、ミョウガと大葉は、風味や食感を楽しむことができるよう、粗めのみじん切りにすれば下準備は完了です。

■少ない油で一気に揚げる…シャケのうま味がナスに伝わり風味豊かな仕上がりに

 ソース作りでは、醤油30グラム、酢30グラム、砂糖27グラム、ニンニク2グラム、ショウガ2グラム、ごま油3グラム、そして少々の豆板醤を混ぜていきます。今井料理長は、ヒルトンの店でもこの分量でソースを作っているといいます。家にある調味料で「王朝」の味の再現です。

 そこへ葱だけでなく、ミョウガと大葉で爽やかさをプラスします。暑い季節にさっぱりと食べやすいユーリンソースの完成です。

 続いては、シャケとナスを一緒に揚げていきます。

今井料理長:
「シャケのうま味をナスに吸わせるために、少ない油で作ります。そうすることで料理が一つにまとまる」

 シャケのうま味がナスにも伝わり、風味豊かな仕上がりになります。揚げたナスはそのままユーリンソースの中へ入れてたっぷりソースを吸わせます。

 シャケは、ソースに浸してしまうとサクサク感を損なってしまうため、食べる直前にかけます。

■パックサラダで彩りを…暑い夏にさっぱりと食べやすい「ユーリンジャケ 揚げナスサラダ仕立て」

 サラダ仕立てにするため盛り付けもひと工夫します。彩り豊かなスーパーのパックサラダを皿に敷き、その上にナスとシャケをのせます。

 最後に、再びサラダを華やかなに盛り付けたら「ユーリンジャケ 揚げナスサラダ仕立て」の完成です。

 爽やかなユーリンソースが、香ばしい塩ジャケにマッチします。ミョウガの香りでさっぱりとした、蒸し暑い夏に食欲をかき立てられる一品です。