三重県四日市市では8月、薬剤師の男性が新型コロナのワクチンを誤って4回接種していたことがわかりましたが、実際に世界の国々では、3回目のワクチン接種に向けての動きが出てきています。

 四日市市によりますと、市内の薬剤師の50代男性は、医療従事者向けの優先接種を終えたにもかかわらず、その後市の集団接種を受け、合わせて4回接種していたことがわかりました。男性の体調に問題はないということです。

 市の聞き取りに対し、男性は「接種したことを忘れていた」と話しています。四日市市は薬剤師会に対し、再発防止に努めるよう注意を促したということです。

 今回の男性は間違えて3回以上接種をしたということですが、実際に世界では3回目の接種の動きが出ています。

 アメリカ・CDCの報告書による、ファイザー製ワクチンのデルタ株に対する効果を見ると、「重症化」に関しては高い予防効果がありますが、「発症の予防」や「感染の予防」に関してはやや下がってしまう傾向があります。

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 愛知県がんセンター病院の伊東先生によると、「世界でも先駆けてワクチン接種が行われたイスラエルで感染が再拡大していることを考慮すると、ワクチンの効果は半年~1年程度で低下する可能性が考えられる」ということです。

 そうした中で、イスラエルでは8月1日から3回目の接種を始めていて、ドイツやスウェーデンは高齢者などを対象に9月以降に始める方針が固められました。

 日本でも、河野大臣が7月、「来年、3回目の接種を行うことになるのではないか」との見方を示しています。

 3回目の接種について伊東先生は、「弱くなってしまったワクチンの効果を再度高めることができる可能性がある。日本はワクチン接種が遅くに始まったのですぐにということではないが、感染拡大が続く状況であれば3回目の接種の必要があるかもしれない」と話しています。