8月、愛知県蟹江町のスーパー「バロー蟹江店」で、販売された真アジのパックに「フグの稚魚」1匹が混入していることがわかりました。

 県によりますと、購入した客から「フグが入っている」とスーパーに連絡が入り、保健所が確認したところ「シロサバフグの稚魚」1匹が混入していたということです。

 フグの肝臓などの有毒部位を食べた場合、重篤な場合は死亡することもあることから、購入した客に絶対に食べずに店舗まで連絡するよう呼びかけています。

 フグの混入はなぜ起こってしまったのか、バロー側に取材したところ、「パック詰めを行う最中に、形が似ていたため、チェックが漏れてしまった可能性がある。今後は商品の確認手順の見直しを含めて、再発防止に努める」としています。

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 食品問題に詳しい、名古屋文理大学短期大学部の佐藤生一教授によると、今回の小アジのような魚は底引き網漁で捕られていて、水揚げの時にはアジだけでなくクラゲや今回のフグなど、様々なものが混じるといいます。

 商品として売る際の対応について、名古屋市中区の大須商店街にあるスーパー「サノヤ」の鮮魚担当者に伺いました。

 サノヤでは、漁師が箱詰めする段階で異物がないかチェックし、店に届きスタッフがパック詰めをする段階でもチェック、店頭に並べるときにもチェックと、最低3回はチェックをしているということです。また担当者は「一般的に魚のプロなら見分けることはできるのでは」と話していました。

 佐藤教授はシロサバフグの毒性について、一般的なフグは、「テトロドトキシン」という猛毒をもつエサを好んで食べることで体内に毒をためていき、この毒は過熱しても無毒化できない危険なものだといいます。

 一方、シロサバフグはテトロドトキシンを含むエサを基本的に食べないので、フグの中では毒性は低いと考えられるということです。

 ただし、フグは形が似ているものも多く判別は難しいので、専門の調理師が捌いたもの以外は絶対に食べないよう、注意をよびかけています。