女性が生理になる日数は、生涯であわせて6年9か月といわれています。女性の社会進出と共に、布製のナプキンや吸水ショーツなど生理用品も大きく変わり始めています。

■2025年には5.5兆円の市場規模に…女性の体の悩みを解消する商品“フェムテック”

 ジェイアール名古屋タカシマヤの婦人服売り場で行われていた、生理アイテムに関するイベント。

【画像20枚で見る】生理を“タブー”にしない…広がる『フェムテック』女性の社会進出と共に変わる生理用品

布製のナプキンや、吸水ショーツ、デリケートゾーンの保湿クリームなど…。会場には最新の生理用品など220点が並びます。

ジェイアール名古屋タカシマヤの杉本奈央子さん:
「月経カップといいまして、生理の時に使うアイテム。直接体の中に入れて、受け止めるタイプのものです」

「月経カップ」は医療用シリコーンなどでできていて、膣の中に装着。洗浄して再び使えるので、経済的で環境にも負荷がかからず、“第三の生理用品”ともいわれ注目されています。

「吸水ショーツ」は、吸水力を兼ね備えた下着で、漏れたり臭ったりせず、働く女性など幅広い層に人気です。

 こうした女性の体の悩みを解消する商品は“フェムテック”と呼ばれています。「フェムテック」とは、「フィーメル(女性)」と「テクノロジー(技術)」をかけあわせた造語で、女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解消する商品やサービスのことです。2025年には5.5兆円市場に成長するといわれています。

女性客が多く訪れる百貨店・ジェイアール名古屋タカシマヤでは、オープンスペースでイベントを開催することで、フェムテックを世の中に広げる活動をしています。

■男性にも女性が抱える生理の悩みを知ってほしい…「フェムテック」フェアを企画した女性

「生理が憂鬱」「デリケートゾーンの乾燥」「股のモコっと感」「外出先で取り替えるのに悩まされる」など、女性が抱える様々な悩み…。しかし、社会には生理の話をしにくい現実があります。

来場した女性客:
「生理の期間ってすごく辛かったりするけど、それを理由に何かできないってことは…。特に会社とかだとタブーな感じはすごくあるなと思います」

 イベントを企画したジェイアール名古屋タカシマヤの杉本奈央子さんはこの企画を提案した際、社内で反対があったといいます。

杉本さん:
「男性の上司が非常に多いので、百貨店のフロアの真ん中のスペースでやるってことに社内でも渋い顔をされた…」

 社内では「まだ早い」と言われましたが、杉本さんは他部署の女性社員と協力することでイベントを実現。婦人服売場の真ん中に、24のブランドを集めました。

来場客:
「吸水ショーツを買いに来ました。同僚が、前に買ったらよかったと言っていたので」

別の来場客:
「生理の時って本当にうっとうしいでしょ。トイレだわ、気になるわって。コレすごくいい商品がでてきましたよね」

杉本さん:
「男性の方も、フェムテックというワードを知るでしょうし、女性の毎月の生理が、そんなに悩みがあるものなんだって知っていただく機会になれば…」

 杉本さんは、女性の社会進出が進んでいるからこそ、生理をダブー視せず、オープンに話せる世の中を願っています。

 ジェイアール名古屋タカシマヤの「フェムテック」フェアは既に終了しましたが、扱われた商品への問合せは4階のランジェリー&リラクシングで受け付けています。

■生理をタブー視しない…生理用品の老舗メーカーが始めた“生理用品を紙袋で隠さない”活動

 名古屋市中区のドラッグストア「アマノ」の店内には、50種類ほどの生理用品が並んでいます。

ある調査によると、女性は生理用品を買うのに、生涯でおよそ100万円も費やすといわれています。

 そんな中、生理をタブー視しない社会を目指し、衛生用品メーカーのユニ・チャームが新たに始めた活動が「#NoBagForMe」(生理用品を隠す紙袋は要りません)です。

 50年以上に渡り、生理用品を製造販売してきた「ユニ・チャーム」は、女性の社会進出とともにその歴史を歩んできました。

ユニ・チャームの担当者:
「日本独特のタブー感。『生理って何か話しちゃダメだよね』、『どんなに辛くても辛いと言っちゃいけないよね』とか。暗黙のルールがあるなって」

 タブー感を象徴しているのが、コンビニで生理用品を購入した際に、何も言わなくても茶色い袋に入れられることだといいます。

 ユニ・チャームは、2年前に紙袋で隠さなくていいパッケージを発売。ティシュペーパーやトイレットペーパーの様に気兼ねなく使えるデザインを考案しました。例えば『ソフィSPORTS』のブランドカラーはクールな黒で、パッケージにはナプキンの絵が全く入っていません。

同・担当者:
「『雑貨のようなかわいらしいパッケージはどうか』から始まりました。ネコ(のイラスト)は、生理中の理想。生理中にこんなに伸び伸びとゆるやかに穏やかに過ごせたらいいな…を体現した」

 ユニ・チャームでは、「#NoBagForMe」の次なる活動として、生理にまつわる知識を女性だけでなく男性も一緒に知る企業向けの研修「みんなの生理研修」も行っています。