愛知県弥富市の中学校で男子生徒が殺害された事件を受け、今学校の現場が揺れています。子供達の小さな異変に気付くにはどうすればいいのでしょうか。心のケアをしているスクールカウンセラーを取材しました。

 30日午前、名古屋の市立中学校でスクールカウンセラーが集まりました。この地域では毎週火曜日、付近の学校のスクールカウンセラーなどが集まり情報交換をしています。

スクールカウンセラー:
「やっぱり中学生だったらどこで起きてもおかしくないかな」

「『大丈夫だよ』もそうだし、『そういうことあったよね。怖いね』みたいなそういう(声)が出てきたらいいなと思う」

「カウンセラーって心理士だから、心理面をアドバイスできるのは私たちだけ」

 11月24日、愛知県弥富市の中学校で中学3年生の男子生徒が同級生に包丁で刺されて殺害された事件。

 この事件を受けて、名古屋市教育委員会は生徒の問題行動について早期発見に努めるよう呼びかけました。

逮捕の生徒が2月の調査で“いじめ訴え”…中3生徒刺殺事件 学校は市教委に報告せず 警察が慎重捜査

スクールカウンセラー:
「些細なっていうと語弊がありますけれども、人間関係のトラブルとかって本当に色んな所で起きて、つらく感じてしまった中で起きてしまったことなのかなと思っています」

 名古屋市では110校ある全ての市立中学校に、臨床心理士などの資格を持つスクールカウンセラーが常駐。生徒や保護者の相談を受けるほか、家庭訪問や心のケアの授業など、様々な仕事をしています。

スクールカウンセラー:
「(多いのは)やっぱり人間関係の悩みですね。友達とどんな風に仲良くなったりだとか、喧嘩になった時にどんな風に解決していったらいいのかという悩みや、あとは中学生は高校受験とか進路とか」

 教師だけでは気付くことができない子供達の小さな異変。そこに目を配るのがスクールカウンセラーの役目です。年2回アンケート調査をしたり、冊子を配って心の状態をチェックしたりと様々な取り組みをしています。

 また毎朝校門に立ち、声を掛けて生徒の様子をチェックしています。

スクールカウンセラー:
「登校時間も楽しいことがある時は、いつもギリギリに来る子が少し早めに来たりだとか、その逆もあったりとか。普段明るく返事する子がちょっと暗い返事だったりする、(子どもの)変化を見ていくのが一番大事かなと思います」

 名古屋市にスクールカウンセラーが常設されて7年。去年1年間で受けた相談件数は3万7000件でした。

スクールカウンセラー:
「なかなか自分の気持ちを、自分のペースで相談することは難しい年代なので、少しでも喋りやすい、相談しやすい雰囲気を作っていくというのを心掛けています」