全国で147店舗を展開する買い取り専門店「エコリング」は、他の店では買い取らないような汚れたバッグや、使用済の化粧品まで買い取っています。その理由を調べると、買い取ったものを海外へ輸出したり、服やバッグは生地だけを業者に買い取ってもらったりと、様々な販売ルートがあることがわかりました。

■メイドインジャパンが人気のタイへ輸出…捨ててしまいそうなものまで買い取りする店

 買い取り専門店の「エコリング」は、全国で147店舗、愛知県内には22店舗あります。中でも、名古屋昭和店の1か月の買い取り金額は、愛知県内一番の1000万円以上を誇ります。

【画像20枚で見る】“他社に断られた物でも”とことん買い取る『エコリング』その秘密、販売ルートにアリ

店には営業するにあたり、あるモットーがあります。

エコリングの店長:
「他社さんに断られたものでも、できる限り買い取りさせていただいて、欲しい方の元へ届ける」

 エコリングの特徴は、買い取る種類の多さ。危険物や食べ物、医療機器などは買い取れませんが、年代や状態を問わず、とことん買い取ることにこだわっています。

バックヤードには、カメラや食器をはじめ、半分使った香水や、使い古しのコスメ用品まで…。

他にも「ルイ・ヴィトン」のバッグ(買取価格4万円)や、指輪などのジュエリー、さらに高級陶磁器マイセンの置物「マイセン 干支シリーズ」(買取価格12万円)などが並びます。

一方、有名アパレルのコートは1着200円、古いパソコンは100円、カメラは500円、昔流行った健康器具は100円。化粧品や香水は残りの量とメーカーによりますが、使いかけでも値段がつきます。一見捨ててしまいそうなものまで買い取っているのには理由がありました。

店長:
「主にタイに輸出。メイドインジャパンは製品がよくて、日本製であれば欲しいという方がすごく多い。靴ひとつとっても、現地のものより日本で使い古したスニーカーが好まれる」

 エコリングでは、日本で買い取ったものをタイへ輸出。現地では日本の中古品の需要が高く、タイ支社で店頭販売しています。また、市場の競りにかけるとたくさんの業者が買い付けにくるといいます。

他にも、日本で需要があるブランド品や家電は、オークションへ出品。傷みの激しい洋服は、生地としてリサイクルに回しつつ、家電は部品だけを業者に買い取ってもらうなど販売ルートをたくさん持っています。

■生地だけ欲しがる業者も…ボロボロでもヴィトンやシャネルなら買い取り可能

 一体どんなものが持ち込まれるのでしょうか。やってきた40代の女性は、ダイソンの掃除機とブランドバッグを持って来ました。

女性(40代):
「前に時計を買い取ってもらって、結構いい値段をつけてもらったので…。実家の押し入れに、ブランド物がたくさんあった」

 バッテリーが切れたダイソンの掃除機に、昔使っていたシャネルのネックレスや、グッチやフェンディのバッグ、エルメスのトートバッグもありました。ただ20年以上も前のもので、シミや汚れが目立ちます。汚れがあると、他の店では買い取れないこともあるといいます。

しかし、査定の結果は、シミがついたエルメスのバッグは5000円。グッチは生地に傷みがありましたが1万円。シャネルのアクセサリーも1万円。20年以上経って少し変色していますが、予想以上の値がつきました。

店長:
「ルイ・ヴィトンですと持ち手がちぎれていたり、中がボロボロでも革が使えたりとか…。それだけを欲しがる業者さんもいます」

 ルイ・ヴィトンやシャネルなどブランドとして知名度や人気が高いものは、中古でも世界中で需要があるといいます。ブランド直営店での修理も可能なため、壊れていても欲しがる人も。この女性が持ち込んだバックや掃除機など7点は、合わせて4万8000円になりました。

女性:
「結構いきました。半分くらいと思っていたので…。今からスーパーへ行くので、いいお肉でも買おうかな」

■タンスに眠る両親の装飾品…「5万円くらいになったら」が金高騰で驚きの価格に

 続いてやってきたのは、近くに住む40代の主婦。持ち込んだ袋には、パンプスに、動かなくなった腕時計、たくさんの古いアクセサリーなどおよそ250点。

店員:
「ここまで多い方いない」

主婦(40代):
「実家を家じまいしたので…」

この女性は、実家のタンスの中に長年眠っていた両親の服や装飾品を、まとめて持って来ました。

主婦:
「自分でメルカリとかに出すには、手間な量だったので…。5万円くらいになったら嬉しいけど…」

 持ち込まれた大量の品に、次々と査定額が。Wii本体とWiiフィットプラスが1000円、IWCの時計が3万円、グッチとロンジンの時計が各3000円。

アクセサリーは、パールとダイヤのイヤリングは2万円、ホワイトゴールドのネックレスが3万4500円と、ジュエリーを中心に予想以上の値段がつきました。そして最も高額だったのが…。

店長:
「18金のみで58万9000円」

18金のジュエリーが58万円と桁違いの値が付きました。それにはある理由が…。

店長:
「24金インゴット(塊)の価格(1グラムで)7300円とか。いま意外と高いねというご返答が多い」

 金の価格が高騰していて2001年に1グラム約1100円だった平均価格は、2021年に約6300円とおよそ6倍になりました。金歯にも2500円の値がつき、結果、約250点の買取金額は合計約80万円になりました。

主婦:
「金が、想像以上によかった。来た甲斐がありました。車買っちゃったんで、穴埋めにしようかな」

 買い取り専門店の「エコリング」の愛知県内の店舗では、スタッフが自宅などに伺う「出張買取」や、売りたいものをお店に送る「宅配買取」も行っています。