3月3日の桃の節句に向けて、各所で雛人形の飾りつけが始まっています。例年華やかな雛人形が飾られるという愛知県豊田市稲武町を訪れると、陶器でできた土びなや福よせ雛など各家庭で役目を終えたお雛様がユニークな形で飾られていました。

■役目を終えた雛人形に再び活躍の場を…「福よせ雛」をユニークに展示

 愛知県豊田市の稲武地区では、毎年2月から「ひな祭り」が始まり、民家や商店の玄関先に雛人形が飾られます。

【画像20枚で見る】家庭で役目終えた雛人形に再び活躍の場を…人形をユニークに展示する『福よせ雛』

 最初に伺ったお店ではまだ飾られていませんでしたが、代々伝わる100年以上前の雛人形を見せてもらえました。

店の女性:
「昔からのやつ、土びな。昔はこういうのしかなかった」

土びなとは、粘土に焼き色や模様を付けた陶器の人形で、古くから作られてきました。

 続いて伺った「ドングリ工房」では、たくさんのお雛様がユニークに展示されていました。

どんぐり工房の女性:
「『福よせ雛』といって、子供が大きくなっていらなくなったお雛様を寄付してもらって、仕立て直してお雛様の第二の人生ということで…」

雛人形たちの運動会に、商店街…。福よせ雛とは、各家庭で役目を終えた人形のことで、「ドングリ工房」では人形たちが生き生きと展示されていました。

 最後は、この日雛人形を飾るという役場へ。豊田市役所・稲武支所でも、各家庭から寄付された土びなが飾られていました。

浦島太郎に、歌舞伎、花魁道中など…。土びなは、当時の流行が反映されているため、一体一体からその時代背景がうかがえます。

豪華に飾られた歴史を感じさせる雛人形は、圧巻です。