名古屋で20日に開かれたウクライナ侵攻に対する反戦デモ、そこにはロシア出身の女性も参加していました。声を上げることもできない母国の人々に代わり、ロシア人としてこの戦争に異を唱えています。

<マリーナ・オフシャンニコワさん>
「ロシア国民は本当に戦争に反対しています。これはプーチンの戦争であり、ロシア国民の戦争ではありません」

 ロシアの国営テレビで反戦メッセージを掲げた、マリーナ・オフシャンニコワさんは、 アメリカのテレビ番組で、「ロシア人が戦争に反対していると世界に示したかった」と、その行動の理由を説明しました。

 多くの人が抱く反戦の意思。軍事侵攻から3週間あまりが経ちましたが、20日も戦争反対を訴え、国旗などを掲げた人たちが名古屋の街を行進。

 およそ200人がプラカードやウクライナ国旗を掲げ行進しました。

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 黄色のリュックに水色のパーカーの「ウクライナカラー」で参加した夫婦。夫・オレクシィさんはウクライナ人、妻のエカテリーナさんはロシア出身。エカテリーナさんもこの戦争に異を唱えます。

ロシア出身のエカテリーナさん:
「この戦争を止めてほしい。ただそれだけです」

 母国のトップがその正当性を訴えていても、ロシア国民の中に戦争を望んでいる人が多いとは思えないといいます。

エカテリーナさん:
「ロシアの友達もほとんどがこの戦争をやめることを望んでいます。彼らも人々に死んでほしくない。問題解決の手段として、戦争は良くないと思っています」

 ただ、ロシア国内で声をあげることは簡単ではありません。国営テレビで反戦を訴えた女性も、その勇気と引き換えに今後、刑事罰に問われる可能性があります。

エカテリーナさん:
「(ロシアでは)警察が止めるから、こういう集会はできません。警察は(参加者を)拘束することもできる。でも私たちは行動できるから、友人たちのためにも参加するんです」

 ロシア出身だからこそ、声に出して訴える平和…。国と国との争いに、罪のない人々の生活が脅かされています。

キエフ出身の女性:
「キエフの近くに親戚がいます。普通の市民が戦いに行っている。家の近くが戦場になっている」

女性の娘:
「早くウクライナとロシアの戦争が終わってほしいなと」

 参加者全員で歌ったウクライナ国歌。

 その曲名は、「ウクライナは滅びず」です。