小麦価格の高騰による「値上げの春」が迫っています。東海地方の名物・名古屋めしにも影響が出ています。

 手羽先「世界の山ちゃん」を展開するエスワイフーズによると、手羽先を中心に一部メニューで値上げする予定だということです。始める時期や値上げ幅は「慎重に検討している」としています。

 味噌カツでおなじみ「矢場とん」は、小麦粉・油・パン粉など肉を除くトンカツの材料は全て値上がりしているといいますが、現状では「値上げしない」としています。今後の動向次第で、どこまで維持できるかはわからないと話しています。

 名古屋めしに詳しい料理研究家のSwindさんは「名古屋めしはきしめんや味噌煮込みうどん、喫茶店のモーニングでのパンなど、小麦粉を使ったメニューが多い。値段の割に腹持ちがよくコスパが良いため、少しの値上げ幅でも影響が大きく感じられる」としています。

 今回の小麦製品の値上げは、2021年夏の高温と乾燥でアメリカやカナダ産の小麦が不作だったためで、ウクライナ情勢の影響は限定的です。ただ不透明な先行きから、10月の価格改定ではさらに上昇する可能性はあるということです。

ウクライナ侵攻受けて高騰の見込み…『小麦の値段』はそもそもどう決まるのか 既に過去2番目に高い水準に

 価格の見直しは4月と10月の年2回、直近6か月間の平均買付け価格をベースに算定されます。4月以降もウクライナの情勢が長引くと、次回10月のタイミングでさらに価格に反映される可能性もあります。