週末に起きた大規模な通信障害について、KDDIは既に復旧作業は終えたとしていますが、各地で様々な影響が生じていました。

 約2日間にわたった通信大手KDDIの大規模な通信障害。auやUQモバイルなどで通話やデータ通信がつながりにくい状況が続き、3900万を超える利用者に影響を及ぼしました。

命を救うために高速・大容量通信を活用…救急や火災現場で次世代通信規格『5G』の実証実験 KDDIなど

 KDDIは全国的に復旧作業は終了したとしていますが、4日も一部のユーザーでは通話ができない状態が続くなど、影響は残っていました。

 公衆電話に駆け込む人もみられたこの通信障害。普段当たり前のようにスマートフォンを使う人にとっては、戸惑いの週末となりました。

70代男性:
「ネットワークが使えない。通話は全くダメ。けしからん、何をやっていたんだ」

20代女性:
「お家にいる時はよかったんですけど、出て仕事に向かう時に外じゃ使えなくて。WiFiがあるところなら使えるんですけど…みたいな感じだった」

60代主婦:
「まだ全然ダメ。母はLINEを持ってないのでつながらない。au同士なのに」

 つながらない携帯電話は、空港でも。

 里帰り出産していた妻を迎えに来た男性。ところが到着したはずの妻がなかなか出てこず、連絡もつきません。やきもきすることおよそ20分…。

夫:
「あぁ…来た?お疲れさま。通信障害でさ、連絡取れなかったから不安になっちゃった」

妻:
「ごめんごめん。こういう時、超大変」 影響が生じたのは、携帯電話の利用だけではありません。

 岐阜県に本店を置く大垣共立銀行では、東海3県などで店舗外に設置しているATMのうち、auの回線を使っている最大190台が利用できない状態になりました。

 4日午後3時の時点でも、全面復旧には至っていません。

 気象庁の観測システム「アメダス」でも、LTE回線を使用する一部の観測地点で、気温や降水量などのデータが配信できなくなる事態になっていました。

 トヨタの車はナビのサービスの一部が利用できない状態に。

トヨタ車を利用する人:
「ナビが機能しないので渋滞情報が取得できないんです。いつもと違う道になっていると思いつつ、珍しく30分くらい渋滞にもはまるし」

 KDDIは3日、緊急の会見を開き、通信障害はメンテナンスのために回線のルート変更を行った際に発生した設備障害が原因だと説明。「自社の歴史上、一番大きな障害」だとして、社長が謝罪しました。

 不安に駆られていた人もいます。

コロナ自宅療養中の男性:
「保健所に電話しようと思ったら電波が通じない。指示も受けられない」

 新型コロナの陽性判定を受け、自宅療養中の男性。通信障害の影響で、保健所と連絡をとることができなかったといいます。

コロナ自宅療養中の男性:
「コンビニに行っていいのか、スーパーに行っていいのかとか、その辺の指示ですよね。どういう風に行動していいのか、とにかく聞きたかった」

 緊急時に繋がらない電話。名古屋市では2日からの2日間で、新型コロナの患者少なくとも45人と電話がつながらず、健康観察ができなかったことを明らかにしました。

 連絡がとれなかった患者のうち、妊婦や高齢者などには職員が自宅を直接訪問し、インターフォン越しで聞き取りをするなどの対応をとったといいます。

 通信の発達で便利になった私達の生活。今回のトラブルで課題も浮かび上がることとなりました。