銃撃され死亡した安倍元総理の告別式が12日、営まれました。安倍元総理と縁が深かった東海3県の関係者に想いを聞きました。

 12日午後、東京・増上寺で営まれた安倍元総理の告別式。自民党本部、首相官邸を巡り、政治の舞台に最後の別れを告げました。

 安倍元総理といえば、2016年5月に行われたG7伊勢志摩サミットで、議長を務めました。

(リポート)
「2016年の伊勢志摩サミットの際に、各国首脳たちが笑顔で手を振る姿の等身大パネルです。安倍元総理の姿もあります」

【動画で見る】安倍元総理と交流あった東海3県の人たち「世界の安全を祈っていた人」「残念よりも悔しい」

 当時、地元の自治会長だった山崎勝也さん(77)。今は伊勢志摩サミット記念館で臨時職員として働いています。

山崎さん:
「これは激励におみえになりました時に、写真を撮らせていただいた」

 サミット前年に地元を視察した安倍元総理と撮影した思い出の写真。名刺交換した時の温厚な印象が強く記憶に残っているといいます。

山崎さん:
「名刺を交わしたら、すぐ内ポケットから出して『安倍です』と言って。『サミットの成功に向けて取り組んでください』と優しい言葉を頂戴したのが、この時の僕の思い出になっております」

 会見の最後には、地元の人たちに感謝を述べた安倍元総理。

山崎さん:
「自筆のメッセージを。(安倍元総理は)国民、あるいは世界の安全を祈っていたと思っております。突然の事件が発生し、いら立たしいというか、相手(犯人)に対して。安らかにゆっくりとお休みいただきたいということを、心で祈っているところでございます」

 一方、愛知県東海市の佐藤仙務さん(31)。脊椎性筋委縮症を患いながら、ホームページ制作会社や飲食店など経営しています。

佐藤さん:
「人と人との間に壁をつくらない方なのかなという印象を持っていますね」

 安倍元総理の妻・昭恵さんと、7年ほど前にフェイスブックで知り合い交流が始まり、2021年8月、安倍元総理が佐藤さんの会社を訪れました。

<佐藤さんのYouTubeより>
安倍元総理:
「会社を起こすというのは起こせるんだけども、続けるっていうのはすごいですよ。やっぱり継続できるっていうのはね」

佐藤さん:
「安倍さんが障害者への関心、もっと障害を持った方がより過ごしやすい日本になってもらいたいという思いはすごく伺っていたので、自分がこれからいろんな活動をする中で、自分の役割の中で果たせるのであれば実現していけたらいいなと思いますね」

 励ましの動画メッセージももらいました。

<佐藤さんの YouTubeより>
安倍元総理:
「先程から、佐藤さんと大変楽しいお話をさせていただき、10年間、会社経営を続けてこられた秘訣なんかのお話をいただいた。佐藤さんの常に前向きな意欲と、そして素晴らしいビジョンに今日は本当に感動しました」

 今回の事件について佐藤さんは…。

佐藤さん:
「残念というより本当に悔しいという思いが強いですね。暴力で今を変えようということは絶対にあってはならないことだと僕は思っているんですけど。日本でこういうことが起きてしまうっていうのは、とても残念に思いますね」