新型コロナの影響で中止されていた、警察官が住宅などを回る「巡回連絡」を愛知県警がおよそ3年ぶりに再開しました。

 2月24日、愛知県警一宮署の交番から巡回連絡に出発したのは、1年目の新人と20年目のベテランの警察官2人です。地域の住宅や事業所などを回り、非常時のための連絡先の確認や、防犯を呼び掛けます。

 愛知県警では、新型コロナの感染拡大で2020年の春から休止されていましたが、2月におよそ3年ぶりに再開しました。

 県内では行動制限の緩和などから、2022年、刑法犯の認知件数が2021年を3500件ほど上回り、13年ぶりに増加に転じました。

【動画で見る】被害急増する特殊詐欺等への注意等呼びかけ…コロナ禍で中止されていた警察官の「巡回連絡」を再開 愛知県警

 中でも特殊詐欺は、2022年の被害額が20億円あまりと、2021年と比べ47%も急増しました。一宮署では、巡回連絡の際に要望に応じて自動の録音機を渡すなど、対策に力を入れています。

 基本的に巡回連絡は1人で行いますが、再開後は2人で実施。関心が高い話題から入り会話に興味を持ってもらうなど、ベテランが若手に対してコツを指導します。長期間の休止で課題となる、若手の育成も同時に進めます。

 巡回連絡は警察官からの呼びかけだけでなく、困り事や相談など住民の声を直接聞ける貴重な場でもあります。情報を参考にパトロールするなど、安全な町になるように生かします。

住人:
「最近何年かは(巡回連絡は)全然なしで、やられることはいいことだと思います。警察の方で把握しておいてもらえば、何かあった時に役に立つだろうと思います」

愛知県警一宮署の巡査長:
「(巡回連絡で)情報発信することで、皆さん気を付けていただけるので、防犯の効果も十分あります。(住人の)要望や意見などを聞けば、僕らもパトロールに生かすことができるので、あった方がいいと思います」

 巡回連絡の再開で、地域をより安全に。警察は協力を呼びかけています。