
岐阜県瑞浪市には、全国でも珍しい化石専門の博物館があります。博物館が指定する土岐川河川敷の野外学習地では、化石採集を体験することができます。
瑞浪市化石博物館は、1974年に開館した化石専門の博物館です。

瑞浪市周辺で見つかった貝類や哺乳類など、1000種類に及ぶ化石を展示しています。
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動物の骨の化石は、組み立てられた状態のものだけではありません。

ヒゲクジラの化石は、板状の石と一緒に展示されています。

学芸員・理学博士の安藤佑介さん:
「本物の、実物のクジラの化石ですけども、博物館ですと結構組み立てた状態でわかりやすくなっていることがありますが、ただ実際に化石はこういう風に見つかるんですよっていうことを紹介したいので、こういう見つかった状態の展示もしております」

瑞浪市で化石が多く採れる理由を聞きました。

安藤さん:
「この辺りは、当時(1800万年前)は浅い海だった。浅い海っていうのは生き物がたくさん生息しているんですね。ですので、多種多様な化石が見つかることと、あとは実際に化石採取ができるということで、この瑞浪市は化石の町として有名です」

博物館の「許可証」を得て、南へ1.5キロほど離れた土岐川の河川敷にある、野外学習地で化石の採集を体験しました。

安藤さん:
「石が結構落ちていますよね。この白いのがありますけれども、これが全部貝の化石なんです」

転がっていた石から、さっそく貝の化石の破片が見つかりました。

安藤さん:
「破片ぐらいだったら結構簡単に見つかるので、これで満足しちゃいけないです」
アドバイスをもらいながら、化石を探します。

安藤さん:
「真横から当てて、ページをペラッとめくるようにやります」
割った石に、化石らしきものがありました。
安藤さん:
「これでも1800万年前の貝の化石ですね」

手に取った石から化石が出るかどうかは運だといいますが、採集を続けると形がきれいに残った貝を見つけることができました。

安藤さん:
「結構いいですよ。ちゃんと2枚、きれいに貝が。まさしく生きていたような状態で。絶滅したマキヤマキララガイっていう。私も正直言ってびっくりしました。他の場所でこれ出せたら、博物館によっては『ください』って言うかもしれない」

採集した化石は、記念に持って帰ることができます。
2023年3月21日放送