愛知県岡崎市のスーパー「プラザヒラク」は、“激安”で知られ、連日大勢の客で混み合います。そこには、繁盛店の常連客ならではの買い物テクニックがありました。

■開店20分前には100人以上の列…激安スーパーを攻略する買い物術

 愛知県岡崎市にある創業約35年のスーパー「プラザヒラク」は、三河エリア屈指の激安スーパーです。

【動画で見る】自称“ドケチ系YouTuber”も参戦…激安スーパーに集う買い物上手たち セール情報は事前に店長を大胆攻略

サバの切り身は3つ入って324円(税込み)、うどんやそばの袋麺も3つで84円(税込み)。

この日は水曜日。開店は午前10時ですが、20分前には店の前に100人以上が行列を作っていました。

水曜日は「水曜市」が開かれていて、新鮮なハクサイが1玉108円(税込み)、ホウレンソウが3束で108円(税込み)、イチゴは1パック税別200円以下など、特にお値打ちになります。

行列の先頭に並んでいた女性客のカゴには、すでに商品が入っていました。

女性客:
「そこで欲しいものだけちょっと拾ってきたけど…」

早い人は1時間以上前から並び始め、待ち時間も有効活用していました。店の外に並ぶお値打ち品をオープン前から確保しておくのが、効率の良い買い回り術だといいます。

帽子をかぶってストールを撒いていた女性客がいました。

女性客:
「並ぶので、帽子とストールは必ず要りますね。それくらいの覚悟で来ています」

人気スーパーの行列には、紫外線対策も必須。

常連客ならではの買い物術です。

■スピード重視の女性客はレジ打ち中に小銭並べ素早く支払い

 午前10時、いよいよ開店です。

帽子とストールの女性客に同行しました。

女性客:
「すごいですよ、(ハナビラタケが)2個100円だって…。鶏肉も100グラム108円とか…頑張ってますね!」

店はオープン直後がとても混み合うため、買い物はスピードが命。必要なものは手早く購入し、全体の流れを止めないのが買い物上手のマナーです。

この女性のカゴは、入店からわずか10分足らずでいっぱいになりました。

女性客:
「重いです…。五十肩なのに、腕がキツいです」

店のレジは、オープンからたった15分で大行列です。

スピード重視のこの女性は、レジ打ち中に大量の小銭をトレーに並べました。

女性客:
「小銭出すのに焦っちゃうから、金額が決まった瞬間に回収して」

手早く会計を済ませるため小銭を先に用意し、支払額が決まったら余りを財布に戻す。

後ろの人たちの待ち時間を少しでも短くしたいという、愛が溢れるテクニックです。

■7人家族の女性は健康を考え赤身が多いものを吟味

 精肉コーナーの前で、5分以上肉を眺めていた2人の女性がいました。

カゴには牛肉のパックがいくつも入っています。

女性客:
「7人家族だから」

すき焼きやプルコギにするといいますが、健康を考えて肉を吟味。

女性客:
「赤身が好きなもんだから、赤身がなるべく多いところを選んでる」

連れの女性客:
「やっぱり食べ物なんで、栄養のことも考えている」

家族の健康を考え、同じパックの牛肉でもなるべく赤身が多いものを選んでいました。

■激安イベントでパンを大量購入する自称ドケチ系YouTuber

 午後1時前、レジとは別の場所に行列ができていました。

毎週水曜恒例の「50円菓子パンセール」の行列です。

このセールは午前10時と午後1時の1日2回開催されていますが、通常100円以上する山崎製パンの商品が半額以下で買えるため、開店直後は客が殺到し争奪戦になります。

午後からのタイムセールに1時間以上前から並んでいた先頭の余郷博貴さんは、仕事の傍ら「激安」や「ケチ」をテーマにした動画を配信している、自称・ドケチ系ユーチューバーです。

余郷さん:
「仕事もやっているんですけど、YouTubeもやっているんですよ。ケチな番組ばっかりなんですけど。激安なものとか。たぶん、みんなが引くくらいのケチ」

足元には商品が半分ほど入ったカゴと、空のカゴ。セールが始まると、テンポよく2つずつパンを掴み、どんどんカゴに入れていきます。その手は止まらず、あっという間に2つのカゴが満杯になりました。

週に1度の激安イベントを利用して大量に仕入れる。これがドケチ系YouTuberの買い物術です。

大量の菓子パンをどのように保管・消費しているのか、妻と2人で暮らす余郷さんの自宅に伺いました。

購入したパンは全部で38個もありました。

余郷さん:
「食べきれる量はそのままなんですけど、冷蔵庫に入れて大丈夫なものに関しては、冷蔵庫に保存していますね。冷蔵庫と野菜室で」

冷蔵庫のスペースを無駄使いしないよう、すぐに食べるパンは常温で保管し、残りは冷蔵庫へ。

先週は、約40個の菓子パンを購入したといいますが、冷蔵庫の中に残っていたのは1個だけ。

妻と2人で、1週間でおよそ40個の菓子パンを消費するといい、この日買ってきた残りのパンも冷蔵庫にきれいに収まりました。

しかし、中には消費期限があと4日というパンもあります。

余郷さん:
「まあ全然、自分の中ではあまり問題ない。カビが生えるかどうか。カビが生えなければOKっていう。夏場になると4日目くらいにはカビが生えてくるので、季節に合わせて。だから冬場はもうめちゃくちゃ買いますけど」

■争奪戦の10円セールで52点爆買いの女性も

 午後4時になり「プラザヒラク」の店内にはまたも行列ができていました。

店員:
「お待たせいたしました、卵88円です!」

卵が95円(税込み)のタイムセールです。

1パック300円になることも珍しくなくなった今、並んででも買いたい商品ですが、その行列には目もくれず、別の場所で待機する女性たちの姿がありました。

女性客:
「今日、10円セールが4時から始まる予定なので、それを狙って来ているんですけど。1時間半くらい前から場所取りをしようと思って」

卵はスタンプカードを使って既に無料で手に入れていました。

この女性は1時間ほど前に、店長に聞いてゲリライベントの情報を仕入れていました。よりお得な方を選び、確実にものにする。まさに買い物のプロです。

10円セールは、300円相当のたこやきの粉やうどんつゆなどが税別で10円になるだけでなく、もやしやしめじ、チンゲン菜などの野菜も全て10円になる超お値打ちなセール。

10円セールを並んで待っていた女性客が買ったのは、たこ焼きの粉や野菜など52点、しめて520円(税別)でした。

たこ焼きの粉は、1袋で約40個のたこ焼きが作れます。

この女性は、たこ焼きだけでなく、お好み焼きにアレンジしたり、お友達にあげたりして、有効活用しているということです。

2023年4月20日放送