愛知県東郷町の井俣憲治(いまた・けんじ)町長が、複数の職員にパワハラやセクハラととれる言動を繰り返していた問題で16日、「お笑いのツッコミのように軽く考えていた」と釈明しました。

<井俣町長の発言の音声データ>
「そんな奴おれへんて、お前ぐらいだって、そんなアホ」
「どんだけ仕事しなくても、同じ給料なのお前らだけだって」
「バカじゃねぇ、本当にバカじゃねぇって感じ」

 暴言を繰り返す声の主は、愛知県東郷町の井俣憲治町長(57)です。職員が独自に行ったアンケートで判明した、複数の職員へのパワハラ・セクハラと取れる言動について16日、井俣町長は記者会見で釈明しました。

 アンケートで指摘された「死ね」「殺すぞ」といった過激な発言は、会見で振り返った際も、淀みなく発せられました。

井俣町長:
「検討が全く不十分な時に『こないだも言ったやろ、アホちゃうか、死ね、みんな殺すぞ』みたいな」



【動画で見る】発覚後も「お前床屋行けよ…ハラスメントかな」東郷町長の“パワハラ・セクハラ”「お笑いのように」と釈明

 井俣町長は、政策の立案などで職員の提案が不十分だった際などに口にすることがあったと説明。不適切だったと謝罪した上で、「お笑いのツッコミのように考えていた」と釈明しました。

井俣町長:
「当時の認識として、私の不認識の至りでありますけれども。お笑い的な物言いの中で無配慮に使ってしまった」

 手術のため休暇に入る女性職員に向けた、「いつ巨乳になって帰ってくるの?」という発言については、その女性職員とは信頼関係があり、その場でも笑いが起きていたと説明。

井俣町長:
「相手の方もその折は冗談で返していただいて、その場に大きな笑いが起きておりますけれども。彼女がハラスメントだと感じていたということであれば、私の認識違い甚だしいというところで、ハラスメントになると」

 ただ、アンケートで指摘されたハラスメント行為は、発言だけではありませんでした。

<着ぐるみを着た女性職員への抱きつき行為について>

井俣町長:
「私がハグをする、ハグといっても着ぐるみの頭ぐらいですね。女性職員なのか男性職員なのかもわかりません」

 着ぐるみを着た女性職員に抱きついたとされる行為です。

井俣町長:
「それによってセクハラだと感じたら、セクハラなのかもしれません、セクハラなんだと思います」

 16日は事実関係の確認が十分にできていないとして、指摘されている問題の具体的な説明は一部にとどまりました。

 会見では今回の問題発覚後も「ハラスメントをネタに笑いを取ろうとしていると聞いた」という職員の発言についても質問がありました。

井俣町長:
「『お前床屋行けよ』というお話をして、『あれハラスメントなのかな?』ということを言ったことは記憶しております。オフの時だと思うんですけれども、冗談を言いながら、笑わせ合いながらしていたものですから…」

 年内に全職員を対象としたアンケート調査を行い、第三者委員会で検証を進める方針を示している井俣町長。

 進退については「第三者委員会の結論を待って判断をする」と話しています。