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回目

氷河期が来た後の生存戦略

地球はこれまで、少なくとも5 回の氷河期を経験している。1万8000年前にピークを迎えた最後の氷河期では、マンモスなどの大型哺乳類が絶滅した。次に氷河期が到来すれば、当然のことながら、地球固有種の生物としての人類に対しても大きな影響がもたらされるだろう。人類も他の生物と同じように絶滅の危機に瀕してしまうことになるのか。

最後の氷河期がもたらしたものとして特筆すべき事実がひとつある。それはホモサピエンスの進化だ。現生人類の父祖たちは厳しい環境に順応し、さまざまな道具を生み出しながら生き残ると同時に、生物としての進化を遂げた。後の時代で長く続くことになる狩猟採集というライフスタイルの芽が生まれたのもこの時代だ。人間という生物に限って端的に言うなら、実際には絶滅と正反対の方向性でものごとが進んだことになる。

今できることは、最後の氷河期の記憶も含め、人類がこれまで蓄積してきたノウハウを最大限に活かす有機的な方法を考え出すことではないだろうか。ごくわずかだが、来るべき氷の時代の後に訪れる繁栄に向けての準備を整える時間はまだ残されている。

2008年2月、ビル・ゲイツ氏が主導する形で地球上の種子を冷凍保存する世界最大の施設であるスヴァーバル世界種子貯蔵庫が稼働し始めた。現代版“ノアの箱舟”と呼ばれることが多い巨大施設だ。日本に限っても、NAROジーンバンクという組織が遺伝資源情報の保存を担っている。次代の繁栄の芽を出すだろう種の備蓄は、着々と続けられている。

ただ、現時点では各国が国家レベルで準備を進めているとは言い難い。だからこそ、個人レベルで準備を整えていく姿勢が大切になる。繰り返しになるが、主流派科学の枠組みに属する組織によって得られたデータの向こうに透けて見えるのは、太陽の活動の低迷期と地球温暖化から始まる氷河期の到来というシナリオだ。まずは冷静に、事実を直視しよう。

氷河期の到来はIF(もしも)ではなく、WHEN(いつなのか)の問題として冷静にとらえよう。今のうちに気持ちを固め、さまざまな準備を整えておけば影響は最小限に抑えられる。人間の尺度で考えれば長い時間になるだろう。しかし、永遠に続くわけではない。そして、なにより忘れてはならないことがある。それは、これまでの歴史と同じく、氷河期を飛躍的な進化のチャンスに変えることができる可能性だ。たとえ氷河期が到来したとしても、現生人類は、そこからまた新たなる歴史を紡ぎ出していくにちがいない。

氷河期を乗り越えた人類は、現在のホモサピエンスとは別の種に派生――進化しているかもしれない。我々は、新たな人類に何を残すことができるだろうか。このテキストやドラマ「#コールドゲーム」が、ある種の予言、神話として伝えられることに期待しよう。

文=宇佐和通 / 協力=ムー編集部

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