記者が同行した下田ロケ。後編ではこの週の一番の見せ場、白石さんと服部さんが日本舞踊を舞う場面の撮影時のことなどをご紹介します。
「澤村邸」から「ホテル伊豆急」(http://www.hotel-izukyu.co.jp/)に戻った一行。まず夏希が優作に、自分の叔父が結衣の一件の黒幕ではないか、不安な気持ちを打ち明ける場面(第29話)を撮影します。山口さんはこの場面に関し、「優作は夏希さんのことがすごく好きだから、『俺がついているから大丈夫だ』と言いつつ、内心ではガッツポーズだったはずですよ(笑)」とコメントを。
次のホテルの一室に移動し、第31話のさまざまな場面の撮影です。結衣の作った金目鯛の干物を夏希らが試食するシーンでは、白石さんと服部さんが着物姿のため、衣裳のスタッフさんが食べづらくないかと気にされていましたが、金目鯛の干物は本当においしいようで、キャストの皆さんは “本気”で食べていました(笑)。
夏希とみどりが踊りの練習する場面では、白石さんも服部さんも日本舞踊をたしなんでいらっしゃるので、普通に踊るとどうしても上手に見えてしまいます。踊りに関しては素人同然という設定に合わせ、わざと音を立てたり、指の動きを雑にしたり。服部さんが積極的にアイデアを出されていました。
実は白石さんの踊りの師匠は服部さん。今回は偶然が重なっての“奇跡の共演”のようで、こうしてドラマで一緒に踊るシーンがあることがうれしそうです。
そうこうしているうち、この日の撮影が終了。何と予定より3時間近く“マキ(早く終わること)”です。
朝7時から夏希が母・春江(星由里子さん)の所有する市内の土地を見に行く場面(第28話)の撮影した後、この日はホテルで終日撮影。外が極寒だったため、ホテルの暖かさがとても心地良かったです(笑)
とある一角で優作と夏希の叔父・万次郎(中西良太)が対峙する場面(第29話)の撮影では、中西さんがまさに“悪役演技”を。中西さんは「こういう演技って楽しいよね」と喜々とされていました。
夕方からは宴会にも使われる84畳(!)の大広間をお借りして、夏希とみどりが日本舞踊「梅にも春」を踊る場面(第31話)の撮影に突入です。
踊りを披露する場面の前に、その場にいる者全員で結衣の干物を食べる場面を撮影しましたが、服部さんは自分が映らないところで黙々と踊りの練習を。後で話を聞くと、「日本舞踊をたしなむ者として、恥ずかしいものは見せられませんから」とのことでした。
夕食をはさみ、踊りの場面の撮影がついにスタート。緊張気味の白石さんに服部さんが、「この緊張感がいいのよ」と。お二人はリハーサルを含め、「梅にも春」を5回踊りましたが、最初に踊ったときは、ここで初めて踊りを見た共演者の方々から拍手が起こりました。
撮影のない出演者の方々は少し離れたところにいらっしゃいましたが、仲居役の角替和枝さんは草刈さんに「(小野寺草薫役・小木茂光さんのことを)昔この人、派手なダンスを踊っていたのよ」と。角替さんは小木さんに「何だっけ? あの掛け声。エイサ、エイサ?」と聞いてましたが、小木さんは「ソイヤ、ソイヤですよ」と苦笑いしつつ答えていました。
そんなこんなで伊豆ロケは無事終了。真剣にドラマと向き合う皆さまのオンの緊張感と、いつものスタジオを飛び出したからこその、オフのアットホーム感の対比が印象的な日々となりました。お忙しい中、撮影にご協力いただきました皆さま、本当にありがとうございました。