エアアジア・ジャパンが日本からの事業の撤退を正式に表明。一夜明けた6日朝、去年9月にオープンしたばかりの中部国際空港のLCC専用の「第2ターミナル」には、利用客の姿はほとんどありませんでした。

 中部国際空港を拠点に、国内外あわせて4つの路線を運航していたエアアジア。5日、全路線を今年12月で廃止した上で、日本からの事業撤退を表明しました。背景にあるのは、新型コロナによる利用客の減少です。

 LCCは1人分の座席スペースを狭くして一度のフライトで多くの客を運び、運賃を低く抑えるビジネスモデルです。それは、新型コロナ対策で求められる3密の回避とは正反対なものでした。専門家は…。

航空アナリストの鳥海さん:
「LCCというのは、お客様を運んで収益を得るシステムとなっておりまして、大手航空会社のようにプラス貨物での収入はないという状況になっています。そういった中で、移動が大幅に制限されて集まらない。それ以上に単価というのもとれない。収入というものは、ほとんどないという状況になっています」

 実はエアアジアの撤退は今回「2度目」です。2013年、中部国際空港と国内外3つの都市を結ぶ路線を就航させたエアアジア。福岡・新千歳・韓国の仁川。しかし搭乗率の低迷が続き、わずか半年で撤退。

 そして、その1年後…。

エアアジア トニー・フェルナンデスCEO:
「ただいま、アイムバック。エアアジア・ジャパン、パート2の始まりだ」

 エアアジア本社のCEOが「パート2の始まり」と宣言した2014年、再び参入。しかし、その「パート2」は新型コロナの直撃によって、わずか6年で幕を閉じることになりました。

 現在、第2ターミナルで運航するLCCは、ジェットスター・ジャパンのみです。

利用客:
「飛行機自体が高いイメージだったので、LCCがなかったら自分は多分、今回沖縄に行かなかったです」

 エアアジアの撤退は中部国際空港にとっても大きな痛手となります。

航空アナリストの鳥海さん:
「セントレアの経営状況も当面のあいだ厳しい。加えて、今回のエアアジアが撤退ということで、伸びしろが期待できる分野においても、アフターコロナにおいて戻りがさらに遅くなるということが、エアアジアの廃業によって出てくると思います」