17日、プロ野球で唯一の試合となった巨人対ヤクルト18回戦、この日先発したヤクルトの2年目奥川恭伸。巨人打線を7回被安打5の1失点に抑える好投で、今季7勝目をあげた。

 奥川と同世代には2年前のドラフトで4球団が1位指名し、競合でロッテに入団した佐々木朗希、同じく3球団が1位指名し、中日に入団した石川昂弥など将来が楽しみな選手が多い。

 そんな中、ドラフト下位指名ながら三拍子そろったプレーで、将来プロ野球界を代表する選手になる予感がする選手がいる。中日・岡林勇希だ。

 三重・菰野高校時代には投げては最速153キロ、打っては高校通算ホームラン21本と投打の二刀流で活躍。奥川や佐々木と同じ2019年のドラフトで中日に5位指名を受け入団。その後、外野手に転向した。

 中日の若手と言えば2018年のドラフト1位で入団した根尾昂や、2019年ドラフト1位の石川昂弥がいるため、何かと話題をさらわれることも多いが、この岡林、プロでの数字を見てみるとそのすごさが分かる。

 ルーキーイヤーの昨季、ファームながら64試合に出場し、広島・小園に次ぐウエスタン・リーグ3位の打率.285を記録するなど、そのバットコントロールには定評がある。

 もちろん、高校時代に投手として最速153キロで鳴らしたその強肩も魅力だ。しかし、まだ本格的に外野手となって2年、17日も試合前(ウエスタン・リーグ、阪神戦 雨天中止)に、工藤隆人2軍外野守備走塁コーチからクッションボールの処理の仕方を丁寧に教えてもらうなど、プロとしての土台作りの日々を過ごしている。

 その潜在能力の高さに、中日ファンからは「早く岡林を1軍に」という声もよく聞かれるが、今年は球団の方針でもあるのか、1軍出場は開幕直後の5試合。打席には1打席しか立っていない。

 しかし、今はじっくり根を伸ばす時。しっかりとした土台ができた時、岡林勇希は1軍で大輪の花を咲かすに違いない。ファンはそんな日を待っている。