岐阜県でも初の感染者が確認され、国内でも少しずつ広がる「オミクロン株」の影響が各地で出始めています。

 11日、名古屋市南区の日本ガイシホールに続々と集まる女性たち。お目当ては人気アイドルグループ『Hey! Say! JUMP』。

 コロナ禍の中で久しぶりとなる名古屋でのライブとあって、ファンは「推し」のうちわやペンライトを持参し準備万端。さらに今回のライブではもう1つ、事前の「準備」が必要でした。

(リポート)
「多くの来場者が集まる人気アイドルグループのライブ会場です。特設のブースが設けられ、中ではワクチンの接種歴の確認などが行われています」

 イベント規制を緩和する「ワクチン・検査パッケージ」の実証実験。観客のワクチンの2回接種かPCR検査で陰性を条件に、座席や観客数の制限を撤廃。2日間でのべ2万4800人を動員しました。

兵庫からの来場者:
「2人ともワクチン接種していたので、普通にライブに行くよりかは、遠くから来ても安心はできました」

大阪からの来場者:
「皆が安心して楽しめるかなって思います」

 ファンの多くが「安心」を口にする一方、次のような声も…。

来場者:
「席の間隔が空いてないのはちょっと怖めではあります。また新しい変異株も流行ってきているから」

 オミクロン株が拡大することへの懸念です。

 11日には、岐阜県海津市に住む外国籍の男性に東海3県でも初めて感染が判明しました。国内でも徐々に感染が確認されるオミクロン株への不安。その影響は、各地で徐々にあらわれています。

 名古屋駅にある名鉄バスセンター。オミクロン株の先行きが見えない中、混雑を避けるため、年末年始休みの3週間前に「分散帰省」を試みる人の姿がありました。

 一方、三重県の伊勢神宮。緊急事態宣言が明けた10月以降、客足は7割程度まで回復。徐々ににぎわいを取り戻す中でのオミクロン株出現に、地元の人は…。

店員:
「やっぱり気にはなっています。この辺りも人出が増えれば不安にはなってきます」

別の店員:
「何とか賑わいが続けばいいのかなという部分と、コロナの事なので広がらないのを願うばかりです」

 東海地方有数の観光地でも、心配の声が上がっていました。オミクロン株の影響を実感しているのは、ほかにも…。

旅行代理店の担当者:
「予約の入りの伸びは少し鈍くはなってしまいましたので、心理的な影響はあるのではないかなと」

 取材した旅行代理店では、10月以降は一時旅行の予約は回復しましたが、オミクロン株が確認されたあたりから流れが一転。年末年始の予約件数も伸びず、コロナ前の4割程度に留まっているといいます。

旅行代理店の担当者:
「(感染拡大したら)全て今入っている予約がキャンセルになったりですとか、新規の予約が入らないというような、今までと全く同じような傾向に逆戻りしてしまうので、旅行に前向きにお出かけいただけるような状況になってくれるのが一番期待しているところですね」