7月15日に発表されたトヨタの高級車「クラウン」の新モデルは、これまでのイメージを覆すデザインでした。「いつかはクラウン」という言葉と共にサラリーマンが憧れたこれまでの車種を振り返ります。

 1955年に登場した「初代クラウン」。きらびやかな外装に高い天井…トヨタを代表する高級車として誕生しました。

トヨタ産業技術記念館の担当者:
「当時は大卒の方の初任給が約1万円であった時代に、約100万〜120万円といった価格でした。とても高級感のある車です」

 初代クラウン登場後も、時代の変化とともにモデルチェンジを重ね築き上げた、高級車としての確固たる地位。絶頂期の1990年度には新車およそ24万台を売り上げました。

 当時のサラリーマンたちは、トヨタの小型車から始まり、出世するにつれて「クラウンに乗ること」を目指したもの。「いつかはクラウン」という言葉が流行するほど、セダンのクラウンは庶民の憧れでした。

 2000年代に入ると、高級車需要の低迷や輸入車の登場で競争は激化。保守的なイメージを変えるため、ボディカラーにピンクや若草色を取り入れるなど、変化する時代の中で進化を続けました。

 15日に公表されたクラウンは、これまで一貫してきたセダンに加え、「SUV」や「クロスオーバー」、そして「スポーツ」と、今までのイメージを覆すデザインも登場しました。

 4種類のタイプで新たなスタートを切ったクラウン。「いつかはクラウン」今度は世界中で、この王冠に憧れる人々の合言葉になるかもしれません。

トヨタ自動車の豊田章男社長:
「新型クラウンは、約40の国と地域で販売をしてまいります。シリーズの販売台数は年間20万台規模を見込んでおります。『日本のクラウン、ここにあり』。それを世界に示したいと思っております」