新型コロナの重症化を防ぐ治療法として7月、厚労省が「抗体カクテル療法」を特例承認しました。

 この治療法は、新型コロナウイルスに効果のある2種類の抗体が入った薬を投与することで、抗体がウイルスと結合し細胞への侵入を防ぎ、重症化リスクが下がるということです。

 治療の対象は、50代以上や肺に基礎疾患がある人、肥満の人など、重症化リスクが高い軽症や中等症の患者となっています。

「抗体カクテル療法」はこれまで入院患者に限って投与が認められていましたが、国は8月13日、ホテルなどで療養している人に対しても投与できると、その対象を拡げました。

 ただ、東海3県の担当者に聞いたところ、宿泊療養施設での投与については「現時点では対応していない」ということでした。この治療法では、投与して24時間以内の副作用として重いアレルギー反応「アナフィラキシー」が報告されていることもあり、しっかりと観察ができる態勢が必要になります。

 名古屋医療センターでは7月に4人の患者に投与したということですが、現在は重症者の入院患者が増え、抗体カクテル療法の対象となる患者の受け入れをストップしたため、投与できていないということです。

コロナ重症化リスク下げる…『抗体カクテル療法』効果と課題 医師「早い段階でないとあまり期待できない」

 一宮西病院の竹下医師は「今は入院患者にしか使えないが、今後は外来の診療でも使えるようになることが理想」と話していました。