15日に迫った大学入学共通テストの直前になって、文部科学省は、新型コロナの影響で受験できなくても各大学の個別試験で合否を判定するよう求める、異例の「救済策」を打ち出しました。この救済措置について、東海3県の大学に聞きました。

 名古屋大学の入試担当者は「いま一度通知内容を確認して、どのように対応するか慎重に検討したい」と話しています。

 岐阜大学と三重大学は同様の回答でした。「まだ検討段階にも入っていない」としていますが、「受験生の公平性の担保が最重要、共通テストを受けた受験生の不利益にならないような方法を考えたい」としています。

 また私立大学の中には、「共通テスト」の結果のみで合否が決まる入試制度を設けている大学があります。

 共通テストが受けられなかった受験生にどう対応するか。未定のところが多いのですが、ある大学は「返金対応をするか、3月に行われる一般入試の後期試験を受けてもらうことを検討している」と話していました。

 各大学はいずれも、詳細が決まり次第、大学のホームページで知らせるとしています。

 一方、今回の救済策は受験生から「公平性は確保できるの?」と疑問の声も上がっていますが、文科省はHPで次のように説明しています。

<文科省のHP>
「共通テストは本試験の2週間後に追試験を設定しており、また各大学の個別試験についても約99%の大学で追試、振替受験の機会が設定されていますので、今回の措置の対象となるような受験生が出る可能性は極めて限定的」

各大学が個別入試で合否判定…共通テスト“感染者等の救済策” 名大担当者「国から通知来たばかりで困惑」

 その上で、「各大学は共通テストを受験した他の受験生の能力と比較して、十分それを上回る能力を有するかどうかを、慎重かつ厳格に判定すると考えられる。有利になるようなことはない」と説明しています。