3月10日、愛知県豊川市で男性の車からボンネットなどが盗まれる事件がありました。専門家に事件の狙いや犯人像について話を伺いました。

被害に遭った男性:
「まさかって感じです。何で狙われたんだろう…」

 豊川市に住む男性の身に起こった大胆すぎる盗難事件。3月10日の朝、出勤しようと駐車場に向かったところ、目に入ったのは変わり果てた愛車の姿でした。

 ボンネットやフロントライトなどが消え、車のフロント部分がむき出しに…。ほかにも様々なパーツがまとめて盗まれていました。

被害に遭った男性:
「(盗まれたのは)バンパー、ボンネット、ヘッドライト、フォグランプ、あとエアバッグ(2個)、シートベルト…」

 盗られてしまったのは車の部品だけなく、金目になる趣味のものまで。

被害に遭った男性:
「(釣り具の)リールが5個、カバンが2つ」

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 その被害額は、車の本体代220万円と釣り具30万円の、合わせておよそ250万円。

被害に遭った男性:
「中は後部座席のガラスが割られていました。一番端の駐車場側の家の人は、ちょっと物音が聞こえたとは言っていましたけど。そんなに『なんだ?』と確認するほどの音ではなかったらしいです」

 男性によると、周辺に防犯カメラなどは設置されていなかったということです。

被害に遭った男性:
「車はたぶん、このままいくと廃車にする予定なので。車も買うときにいろいろ考えてオプションを付けたりだとか、思い出もありましたし」

 男性の怒りは消えていません。

被害に遭った男性:
「ただ返してもらうだけで済む話じゃないので、もし返ってきたとしても納得いかない。早く捕まってほしいのと、軽い罪で終わってほしくないです」

 豊川市内では、2021年秋ごろから同様の被害が複数発生していて、警察は窃盗事件として捜査しています。

 こうした事件の狙いについて、愛知県春日井市のカーセキュリティ専門店「キッズガレージ」の吉田泰啓代表に話を伺いました。

 一見、大掛かりな窃盗に見えますが、ネジを外すだけで取り外せるボンネットなど比較的簡単に着脱できるものを多く盗んでいて、複数人でやれば1時間以内にできる犯行だといいます。

 フロント部分が特に多く盗まれたことについては「フロント部分がつぶれた同じ車種の修理のために盗んだのではないか」と話します。
    
 また、カーセキュリティ協会会長の撹上智久さんも、「フロント部分を直す場合、シートベルトとエアバッグなどもフロント部分とコンピュータで連動しているため、別の車を修理するためと仮定すると、まとめて盗む必要があったと考えられる」と話します。

 犯人について「車の修理が一からできる技術を持つ手慣れた者で、修理した車を売るなどして金にしているのではないか」と指摘しています。