ウクライナから日本に避難してきた人たちの新生活が本格化しています。日本語や日本食に悪戦苦闘も…。

 愛知県犬山市にいる姉を頼って3月、1人で日本に避難してきたウクライナ人のユリヤさん。

 13日にユリヤさんがいたのは、犬山市のボランティア団体「シェイクハンズ」が開いている日本語教室。ユリヤさんは今週からこの教室に通い始め、今後、週に3回のペースで日本語の勉強をする予定です。

始まるウクライナ人夫婦の“異国生活”良い仕事なくても「爆弾落ちてくるよりいいので日本で働く」

先生:「これは?ごはん。これは?」

ユリヤさん:「わからない」

先生:「Fish、さかな」

ユリヤさん:「さかな」

 英語が分かるユリヤさんは、日本文と共にローマ字や英文が添えられたテキストを使って、モノの名前や簡単な日常会話から学んでいます。

先生:
「あんまり読み書きではなくて、生活に応じた場面を想定した教材です。まだプログラムが決まっていないので、今日はとりあえずユリヤさんが何をしたいかを(大切に内容を決める)」

 得意だという「ネイルアート」を活かせる仕事が日本でしたいと言うユリヤさん。

 日本語を早く習得するため、授業中も一生懸命メモをとります。しかし、この日ユリヤさんが苦戦していたのは「曜日」。

ユリヤさん:
「難しいのは『木曜日』です」

「木曜日」がなかなか言えないユリヤさん、その理由とは…。

先生:
「向こうのアルファベットでMOは『トォ』だって、読み方が。だから、さっきから『トクヨウビ』って言ってた」

 苦戦していた理由は、ローマ字の発音がウクライナと日本で違うことにありました。

ユリヤさん:
「日本語はとても素晴らしいけど、勉強するのはとても難しいです」

 1時間半の勉強を終え、ユリヤさんが始めたのはお好み焼きづくり。

 先生と作りながら、「焼く」や「切る」など日常生活で使える日本語を学びます。初めて食べるお好み焼きの味は…。

ユリヤさん:
「うん、美味しい。本当美味しい」

 他にも、教室に来ていた子ども達と、人生初の「タコ焼き」も楽しみました。

 鉄板にソースをかけてしまいそうになる場面もあり、まだまだ不慣れなことも多いようですが、ユリヤさんは日本の生活に馴染もうと一生懸命です。

ユリヤさん:
「日本で働きに出たいし、より良い生活のためにもっと人と自由に話すことも必要だと思っています。ボランティアの人たちが助けてくれるから幸せで、私にとってはすごくいい環境です。彼らがここにいると、自分は一人じゃないと思えます」