
愛知県幸田町の道の駅などで扱われている「愛知幸田の消防カレー」が、2年で3万食を販売する人気商品になっています。

道の駅 筆柿(ふでがき)の里・幸田の駅長:
「地元の方よりも遠くから来られた方にお買い求めいただいております」
開発した幸田町消防本部を取材すると、若手職員が夕食を作っていました。
【動画で見る】急な出動で“冷めてもおいしい”にこだわり…「消防カレー」販売したら異例のヒット 料理研究家と共同開発

この日のメニューは、豚もも肉、ジャガイモ、しめじなどが入ったカレーでした。カレーは夕食の定番だそうです。

消防は24時間体制で街の平和を守るため、食事中に出動することもあります。
幸田町消防本部の消防士:
「カレーが一番簡単に作れて、なおかつすぐに温められるし、冷めてもまたおいしく食べられるというところが、一番カレーを作る理由になると思います」
カレーはまさに消防士向きのメニューですが、2021年、一緒に街を守る消防団員に日頃のお礼でカレーをふるまうことになり、これが転機になります。

どうせならもっとクオリティーを上げようと、料理研究家の長田絢(おさだ あや)さんに声をかけ、新しいカレーを共同開発しました。

料理研究家の長田絢さん:
「冷めても固まらないようにグルテンフリーにしたという点を一番工夫しました。専門店ができるくらいこだわって、カレー用のスパイスもホール(実)とパウダーと使い分けて使っています」
ルーには幸田町の特産品であるイチジクや、全国シェア日本一の筆柿の規格外品を使い、肉は町のブランド豚「夢やまびこ豚」の肩ロースを使って地元もアピール。

素材の甘みを活かしつつ、コク深く冷めにくい消防カレーが完成しました。
イベントでは、消防団員をはじめ来場者に大好評を博し、町のPRになればと道の駅でも販売すると、これまた人気に。

役場や消防署に多くの問い合わせが入り、全国に広めようとレトルトにしました。

「愛知幸田の消防カレー」は、多忙を極める消防士の定番メニューに、消防団への感謝の気持ちというスパイスで生まれたカレーだったのです。
幸田町消防本部の消防士:
「消防カレーだったりを通して消防や消防団に興味を持ってもらって、『町のために一緒に入りたい』と思ってくれると嬉しいと思います」