名古屋市は河村たかし市長の反対で政令指定都市の中で唯一、コンビニでの住民票の受け取りができませんでした。しかし22日、一転して認めることになりました。背景には何があったのでしょうか。

河村名古屋市長:
「マイナンバーカードなしでスマホで住民票が出せるようにしますと。巨大な一歩じゃないですか」

 名古屋市の河村市長は22日朝、記者団の取材に対して、スマホでの住民票交付を「巨大な一歩」と評しました。

 これまで導入を見合わせていた、マイナンバー制度を活用したコンビニでの住民票交付を、名古屋市でも始める考えを示しました。

 しかし河村市長はこれまで、プライバシー保護などの観点から、反対の立場を貫いてきました。

河村名古屋市長(2023年10月):
「コンビニはそんなこと無理やり、そんな危ないことをやらなくても、インチキなマイナンバーカードの利権を増やすようなことをやらなくでもええんですよ。人間にそもそも番号をつけてカードを持たせるということは、いかに危ないことかということですよ」

 名古屋市は政令指定都市で唯一、コンビニでの住民票交付ができず、市民からは2022年度だけで9000件を超える苦情が寄せられていました。

【動画で見る】政令市で唯一できず…“コンビニで住民票受け取り” 名古屋市が一転導入へ 反対していた河村市長が“妥協”のワケ

 そんな中、一転してコンビニでの交付を認めることになった背景として、22日から全国の一部のコンビニで、マイナンバーカードを持ち歩かなくてもスマホで住民票交付ができるシステムが始まったことがあります。

 今回はあくまで「妥協した対応」だとする河村市長。

河村名古屋市長:
「マイナンバーは早くやめないかんですよ、本当に。自由主義社会だったら。ろくでもない国会が決めてしまったわけです。バカらしい上塗りがマイナンバーカード。少なくとも決めてしまった以上、総理大臣じゃなかったら一歩一歩改革するしかしょうがない」

 個人の自由を認めない全体主義につながるとして、「マイナンバー制度は廃止すべき」との主張は変えていません。

 身近なコンビニでの住民票交付が始まることに、名古屋市民は…。

30代女性:
「コンビニの方が近くにあったりするので、便利になっていいと思います」

70代男性:
「私の場合は退職していてフリー時間が多いですから、コンビニでもどこでもいいです」

70代女性:
「便利になっていいかなと。どこでも取れるなら。免許証も持ってないものですから、今日も(マイナンバーカード)持ってきました」

 名古屋市は導入に向けた調査費を新年度予算に盛り込む方針ですが、システムの導入は3年後になる見通しです。