愛知県豊田市に全国で1店舗しかない「ローカルコンビニ」があります。お惣菜やお弁当の種類が豊富で、毎日多くのお客さんで賑わっています。

東海地方には他にも独自の進化を続けるローカルコンビニがありますが、専門家にその理由も聞きました。

■全国でオンリーワンコンビニの「すごいお惣菜やお弁当」

 愛知県豊田市の住宅街にポツンとあるのは、特徴的な黄色のラインにアルファベットでFFSと書かれたローカルコンビニ「フジファミリーショップ」です。

【動画で見る】お惣菜やお弁当がスゴい…全国で唯一の「ローカルコンビニ」なぜ東海地方には個性的なコンビニが多いのか

お惣菜や弁当が有名で、本格的な豚の角煮や、揚げたてコロッケ、さらにチャーハンやカツ丼、オムライス、焼きそばもあります。

お店の3分の1の面積が、お惣菜とお弁当のコーナーが占めていますが、サラダやデザートも全て「自家製」といいます。

バックヤードを見せてもらうと、広々としたまるでレストランの厨房のようなキッチンがありました。ここで、弁当や総菜など毎日100種類ほどを手作りしているということです。

名物メニューはカレーライスで、容器のフタさえ閉まればご飯もルーもどれだけ入れてもオッケーという太っ腹のサービスが人気の秘密です。

フジファミリーショップの厨房担当者:
「好きなだけ。蓋ができるように入れてくれればいいもんで」

このボリュームで、料金は税込み500円で、家のカレーの延長にあるような万人受けするおいしいカレーです。

50種類以上あるという手作りのお弁当は購入すると、その場で炊きたてのご飯を入れてくれます。

普通盛りでも十分ボリュームがありますが、プラス100円で大盛りにすると、蓋が閉まらないほどのてんこ盛りになります。

お弁当を買いに来た常連客に話を聞きました。

女性客:
「手作りのお弁当なので、お弁当屋さんみたいな感じですね」

常連客の間では、コンビニというよりもはやお弁当店の感覚で通っているといい、昼は毎日多くの人で賑わいます。売上のほとんどがお弁当とお惣菜だということです。

この「フジファミリーショップ」の元々のスタートは、名古屋に本社がある「フジパングループ」が約30年前にプロデュースしたコンビニでした。

「フジファミリーショップ」の店長:
「名古屋にあるフジパンがコンビニ部門をやり始めて、それで「フジファミリーショップ」ってなったんですけど。今はフジパンは撤退しちゃったので」

その後、フジパンが別の会社に経営権を譲渡し、かつて数十店舗あったお店も、現在はこの1店舗のみです。

■コンビニ研究家が推察する東海地方に特徴あるコンビニが多い理由
 他にも、豚汁が人気だという岐阜市の「ひまわり」や…。

お酒の種類が豊富な三重県四日市市の「ソルティコマダ」など、東海地方には個性的なローカルコンビニが多く存在しています。

その理由を、コンビニの歴史に詳しい“コンビニ研究家”の田矢信二さんに聞きました。

田矢さんは「諸説あり」としたうえで、「実は愛知県はコンビニ発祥の地といわれている」と言います。日本初のコンビニといわれるのが、愛知県春日井市に53年前にオープンしたココストアです。

田矢さん:
「そういった発祥の地ということもあって、大阪と東京にない文化をお持ちだと思うので、そういう個性的なローカルコンビニが育ったんじゃないかなと思います」

2023年7月11日放送