2月1日(月)スタート 毎週月~金 ひる1時25分

インタビュー

花井照 役 いしのようこさん

2016.03.30

いしのさんは『冬の輪舞』(2005年)、『愛讐のロメラ』(2008年)、『さくら心中』(2011年)、『赤い糸の女』(2012年)など、数々の昼ドラに出演されていますが、本作で昼ドラ終幕ということへの思いは?
 帯ドラマの醍醐味のようなものを体験させていただいていますので、終わるのは寂しいですよ。かつてはお昼の1時から2時までフジテレビ系とTBS系で放送されていて、TBS系が終わった後も、東海テレビさんは昼ドラを作り続けてこられて。すごく泥臭い部分が醍醐味というか、普通のドラマとは違ったテイストがありますので、楽しみに見てくださっている方もたくさんいらっしゃいますから。視聴者の方が「そんなこと、ないないない!」ってテレビに突っ込むのが楽しみだとおっしゃっていて。リアリティのない流れがあったりもするので、私も慣れる前は悩みながらやっていたこともあったのですが、そういう楽しみ方をしてくださる方がいて、それが昼ドラの醍醐味だと知ってからは、勇気を持って突き進めるようになりました。見ている方の目線になると、こちらも楽しめるんですよね。

その境地に至ったのは、どの作品くらいですか?
 『冬の輪舞』くらいから「おっ!これだ!」と(笑) 楽しめるきっかけを作ってくれた作品でもありますね。それまではホームコメディの流れだったので引っかかるところがあまりなかったのですが、『冬の輪舞』で「これが昼ドラか」と洗礼を受けました。あの時は、監督を質問攻めにして(笑) 監督の「これでいいんです!」という力強いうなずきだけを信じてやっていました。私は娘を助けて死んでしまう母親の役だったのですが、死に際に子どもたちに「仲良くしなさい」と伝えて、死ぬまでずっと座っているんですよ(笑) さすがにこれはないよね? あれよかったのかしら? と思いながら死んでいったんですけど(笑) 案の定、それを見た方たちから、ものすごく突っ込まれたんですけど、みなさんそれをすごく楽しみにしていらっしゃるんだなと分かって。リアルに死んでいく形をとっていたら、みなさんの中に残らないと思いますが、それだけ印象深かったということなのだと思いました。
昼ドラで印象に残っていることは?
 いつも大変なんですよ。スケジュールもすごいし、とにかくしゃべるしゃべる。『赤い糸の女』の時は、徐々にヒートアップしていくのではなく、いきなりトップギアからセリフが始まって、まくしたてたかと思うといきなり泣いて。そういう激情型の人物をやることが多かったので、1日3シーンくらい続いたらよれよれになっちゃう(笑)

今回の照さんは、激情型とは対極の人物ですね?
 常に冷静で、どういう人なのかなかなかわからない人物ですし、最初は少ししかしゃべっていなかったので、その中でキャラクターを作るのはものすごく難しくて。プロデューサーさんからは、“いわゆる大番頭で、枝川流のことも枝川家のことも照に聞けば答えが返ってくる生き字引のような人であって欲しい”というお話があったので、あまり感情を出さない人にしようと思いました。大造を尊敬してやまない人でありますから、大造にだけは笑いかけることもあるんですよ。本当だったら、幼いすみれや春子を、もうちょっとかまってあげればと思いますけど、自分にも人にも厳しい人なので。でも、照も若かりし頃にやらかしちゃってますから(笑) そういう人に限って、内なるものは熱いのね、と思いましたね。