2月1日(月)スタート 毎週月~金 ひる1時25分

インタビュー

石原里子 役 佐藤江梨子さん

2016.01.28

昼ドラ初主演への意気込みは?
 しばらく産休をいただいておりましたが、復帰早々に、内容的にもスケジュール的にもボリュームがあるお話をいただき、気合いが入りました。スタジオで早朝から深夜までの撮影が3日間続いて、頭がボーっとしていた時に、スタッフさんが「ロケの多いチームはもっと大変だから、スタジオ撮影が週3日あるのはありがたいと思った方がいいよ」とおっしゃって。「昼ドラ、すごい!」と洗礼を受けましたね。
この作品が産休後の本格女優復帰となりますが、周囲の反響や、ご自身の心境はいかがですか?
 ファンの方からの年賀状に「サトエリからママエリへ。楽しみにしています」と書いてくださっていたりして、うれしいですね。
 撮影中も家に帰ってからも“お母さん”をやっているので、どっちがドラマの世界か分からなくなることもあって(笑) うちの子供は生後5ヶ月なので、里子と春子の親子関係は少し未来を見ているようで楽しいです。台本にはお母さんの気持ちが本当によく描かれていて、読んでいて胸が痛くなることもあるんです。里子親子の設定は特殊ですが、例えば、子供に迷惑をかけてしまった時に「もし自分の子供じゃなかったら、別の人生だったのかな」とか、お母さんなら誰しもが感じることがあるんじゃないかと思うセリフが多くて。春子の部分を自分の子供と置き換えて考えてみたりしますね。里子のセリフにもありますが「私が一番大事なのは、あなただよ」と、子供にちゃんと言うようにしています。

 以前から、いろんな俳優さんや演出家の方に、「君は子供を産んだ後の方が、よくなると思う」と言われていたのですが、今、その意味が分かりました。前は妙なこだわりがあったり、あれもやりたいこれもやりたいという気持ちが多かったのですが、子供がいると時間的にもいっぱいいっぱいなので、最小限のもの、ベストなものを取捨選択できるようになりました。それから、子供がいると子供に合わせなければならないですよね。お芝居も共演者の方々と合わせなければならないので、そういう意味でも、あの言葉の意味を痛感しました。
母親になられて、今後のお仕事の展望は?
 以前は自分の好きな仕事を好きなだけすることができましたが、今は旦那さんと息子がいますので2人のOKが出てから考えますね。息子はまだ話せないので、今のところ私の自己判断ですけど(笑) 先日、そろそろ離乳食をスタートさせなければと麦茶をあげたんですね。そうしたら何か気に入らなかったみたいで、シェイクスピアの舞台の芝居のように「おーおっっっ」と大泣きしながらゆっくり倒れていって。ビックリしました(笑)

 旦那さんや両親に、仕事のこともよく話すんですよ。先日、「このドラマで授乳シーンがあるかもしれない」と伝えたら、「仕方ないよ、女優さんなんだから」と理解があったので、「あっ、そういえばキスシーンもあるから」と何気なく口にしたら、「えー!? 聞いてなかったよー!!」と(笑) 私としては授乳シーンの方が大変だと思ったんですけど、旦那さんと親の反応が面白かったです。
今回の里子役は、どのような思いで演じていますか?
 最初は、こんなに真面目な役ができるのかなという緊張がありましたが、やってみると楽しいです。私も脳みそと口の距離が短いタイプで、思ったらもう口にしていたということがよくありますが、里子はちょっと素直がすぎるところがありますよね。「言わない優しさもあるやろ!」と(笑) 

 このお仕事をいただいた時、「私、疲れてるかもしれないな」と思う人に、ぜひ見ていただきたい作品だと思ったんですね。自分の身なりにかまっている余裕もなくて部屋着のような格好で買い物に行った時、同じくらいの月齢の子供を連れて、同じような恰好をしたお母さんを見て涙があふれてきちゃって。「みんな同じように頑張ってるんだ」って。私が里子に求めるのは、ファッション雑誌で取り上げられるような“キレイなママ”ではなく、これが精一杯で頑張ってるお母さんの姿。とても愛情はあるけれども、うまくいかない、そういうところを出せればと思っています。
最後に、視聴者へのメッセージを。
 自分も母親になって実感したんですが、お母さんって本当に大変ですよね。そんな忙しい中でも見たくなる、そういうドラマにしたいと思います。