Special
インタビュー
美村里江さんインタビュー

共演者とは距離感を持って仲良く
山口紗弥加さんの怪演ぶりが話題となっているオトナの土ドラ「絶対正義」。 範子の高校時代の同級生5人組の中でも比較的地味な主婦・西山由美子を演じている美村里江さんにお話を伺いました。 華やかな友人たちを見てどこか卑屈に思っている由美子を困った人だなぁと思っているそうです。
- 改めて由美子を演じての感想、印象を教えてください。
- 由美子はなかなか困った人だなぁと思います。皆の事を凄いと思う気持ちはわかりますが、私は違うからと卑屈になってしまうなど、控え目であることがマイナスに働いている。ただ彼女には彼女なりにそうしないと生きてこられなかった人生もあると思いますので、そういう部分が透けて見える役になればいいなと思いながらやっています。
- 範子からお金を借りるシーンもありました。
- 高校時代からの友達で大好きな人たちですが、ああいうキラキラした人たちを見ると気持ちが焦ると思うんです。もっとお洒落をしたいけど私にはお金がないとか、あの5人の集まりこそが由美子のコンプレックスを刺激する場でもあるんです。誓約書を書かせた範子とそれを見ていた周りの友人に対して、とても恥じらいを持っていたと思います。
泣いてばかりのシーンの時、他愛のない話を山口さんがしてくれて…

- 山口紗弥加さんの印象、エピソードがありましたらお聞かせください。
- 私がクランクインした日は、朝の8時ぐらいから22時30分ぐらいまで1日中ずっと泣いているシーンでした。しかも理由が違う泣き方で次第に顔も涙で痒くなってきてしまうし、本気で怒っているシーンの後は血圧もなかなか元には戻らないので気分を変えたい、と思っていた時に山口さんが入ってこられて。山口さんと他愛もない話ができたことでいいガス抜きになり、初日を最後まで走りきることができましたので大変助かりました。

- この女性たちの友情感、誇張はされてはいますが、共感できますか?
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現場で皆と話していてなんとなく感じたのが、今回の5人の共演者はたぶん女子会とかをするタイプの人たちではないんです。そのぶん思いっきり演技ができているのではないかと思います。
そして皆、ある意味いい距離感を持って仲良くできているので私も大変リラックスできています。こういう距離感が劇中の彼女たちにもあれば、ああはならなかったんでしょうねと皆で言っています。
たぶん人って自分が満ち足りている時は、あまり友達に会おうとかワイワイやらないのではと思います。久しぶりに集まりたいと思う時点で彼女たちにピースの何かが欠けているサインで、それを範子が見つけて食い付いてくるというところが面白いと思います。
- 私は「絶対○○」です、といったマイルールのようなものを教えてください。
- 私は「絶対、毎日本を読む」です。台本の勉強が終わった後に歴史書や小説を読むとリフレッシュできるので、毎日少しの時間でも本を読んでいます。現場でも本は持って行き合間があれば読みますが、今回は共演者の皆との雑談がとても楽しいのであまり本を開いてはいないですね。
- 視聴者の方にメッセージをお願いいたします。
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“正義”と言うとなかなか難しくて、法律だけが正義ではないですし、今の世の中は何か問題が起きるとぶつかり合うことが多く、殺伐としているように感じる人もいるかもしれないですが、それは実は健康だと思うんです。
何かがあったら右サイドと左サイドの人がいるというのがバランス良く、些細なニュースに外野の人たちが揉めていたりというのはお行儀が悪いように見えますが、それは今が豊かで健康な時代であることの象徴なのではと思ったりします。
自分にとっての正義って何だろう?という、生きていく上で信念みたいなものを見つけていただけるほどバリエーションに富んだ女性たちが登場し、人間的な良いところも良くないところも描かれているので、頭を使い精神的にも疲れるドラマだとは思うのですが、その疲れで心地よくお眠りくださると大変嬉しく思います。