毎週土曜よる11時40分

SPECIALスペシャル

内田滋「美里さんはクールビューティーもチャーミング」

遠藤憲一演じる“被害者の父”志方恭一郎と、田中美里演じる“加害者の母”八巻はつみが、ついに一線を越えてしまい「どうして?志方!そうなるんだよ~」と、オトナの土ドラ『それぞれの断崖』を観ながら叫んだ方も多かったかもしれない。

今夜の第5話では、次女・真紀(永瀬莉子)が偶然にも父・志方の浮気現場を目撃、母・雪子(田中美佐子)も知ることとなる。その相手が‟加害者の母”と知った雪子は『あなたは殺された恭介の父親なの!』と志方に絶叫。一方、はつみ(田中美里)は志方が“丹野”でないことを知り、ある行動にでる。志方とはつみの“禁断愛”は、はつみの息子で加害者の満(清水大登)の弁護士・若菜秀一も知ることとなる。仕事に情など挟まないように見えるクールな若菜でさえ、はつみの働くクラブまでわざわざ出向いて「(2人の関係は)満くんの更生の妨げになります」と釘を刺す。

若菜を演じているのは内田滋。「うちだ しげる」ではなく「うちだ しげ」と読むイケメン俳優だ。
主に少年事件を手掛ける人権派弁護士で、理想が高く上昇志向も強いという設定で、役への向き合い方などを聞いた。

「最初、台本を見た時は台詞いっぱいあるなぁ、嫌だなと思ったんですけど(笑)、プロデューサーがその時々で僕にハードルを与えてくれている感じがしたし、いつも新しいことをやらせていただいているのでありがたいなと思いました。知的な人なのかなと思いきや意外にアツい武闘派みたいなところもある。視聴者の方には不気味に映ればいいなと思っていて、悪なのか善なのかわからない、最後まで何を考えているのかわからないような人物にしたいなと思っていまして、欲深い弁護士だとしてもその時々で見え方が変わればいいなと思っています。メガネなども小道具さんと直に相談して、全部自分で選ばせていただきました。丸すぎないカタチで知的に見えるけれども、ちょっとお洒落も入っていてとか。髪型もカチッとしながら洒落たもの、オールバックは嫌だとか。服装も含め完璧主義じゃないですけど“抜かりがない感じ”にしたいと思いました」

また遠藤憲一とは初共演。元々すごく好きな俳優だという。「一緒に芝居をやってみて思ったのは、すごく芝居のことを考えていらっしゃる方だなぁと。あるシーンで、普通だったら座っているだけなんだけど『動き回ってやらないか』とか監督やスタッフに色々提案してくださって(お芝居に対する)視野がどんどん広がって、そのシーンに全然違う色合いが見えたり、シーンを色鮮やかにしてくれる感じがして、すごく楽しかったですね」

美里ちゃん&しげちゃんの仲! 「美里さんはクールビューティーもチャーミング」

一方、田中美里との出会いは15年ほど前。ある舞台がきっかけで親しくなり「美里ちゃん」「しげちゃん」と呼び合える仲。当時は良く飲みに行ったという。田中の印象を聞いた。
「美里さんはお酒が強くて、呑んでも全然変わらないんですよ。クール・ビューティーだから一見、近寄りがたい気がするけれど話したらすごく気さくで、よく笑う方。チャーミングなところがすごくある。20代半ばからイメージが全く変わらず体型も見た目も変わらず、お綺麗なまま!以前はお互いの舞台を観に行っては、観劇後に一緒に飲んでとか、しょっちゅうやってましたね。話す内容も演技論だけでなくオールマイティー。その関係性が元々ある分、今回が初共演なのに、演技上なにも探る必要がなくて、すごくやりやすかったですね」

回を重ねるごとにクールな若菜に「情が入ってきている」

今後の若菜とドラマのみどころについても聞いた。
「若菜は、この裁判が成功すれば名前が上がると自分のことだけを考えている奴のはずなのに、はつみのことを励ましてみたり。志方との関係を本当に危険だっていち早く察しているから、はつみが働いているクラブにわざわざ会いに行って釘を刺したり。若菜の関わり方に、すごく情が入ってきていると思うんですよ。最初は『まさか被害者家族と加害者家族が⁉』って思いながらも台本読むと何か納得しちゃうんですよね。吊り橋効果みたいなもので、お互い心に穴が開いていて不安定な状態の時に不安定な人と出会ってしまう、みたいな。嘘くさいと思うくらい話は飛んでいるのに、実は心理学とかで突き詰めていくと『あってもおかしくないじゃないの?』って言う具体性の説得力があるから本当によくできた台本だなって思います。原作はドラマで言うところの5-6話までしかなく、そこから先はオリジナル。今後どういうふうになるのか僕(若菜)も含めて楽しみです!」