普段なかなか足を止めることはないと思いますが、お寺の掲示板。

 実は仏教の教えだけでなく、思わず「二度見」してしまうユニークなものがたくさんあるんです。お寺の掲示板の世界をご案内します。

■『お寺の掲示板大賞』とは…

 お寺の門前に立つ掲示板。そこには…。

<違いは間違いじゃない>
<男は度胸 女は愛嬌 坊主はお経>
<NO ご先祖, NO LIFE>
<乗り越えた壁は自分の糧となる>

 人生を明るく照らしてくれる言葉や、中には有名人の言葉もあります。

<これでいいのだ 赤塚不二夫>

 実はこれらは、SNSで盛り上がりをみせる「お寺の掲示板大賞」の投稿作品なんです。

 ツイッターやインスタグラムなどで掲示板の写真を投稿し、その内容のありがたさやユニークさで大賞が決まります。

 なぜこんな企画を立ち上げたのか、主催者の仏教伝道会職員・江田智昭さんは…?

江田さん(電話インタビュー):
「いまですね、結構お寺離れという問題がありまして、掲示板に一般の人が目を向けるきかっけになればと思っておりまして」

■身近なお寺にある深い言葉たち

 名古屋市東区の法華寺。

<眉は近けれども見えず 自らの禍を知らず>

 読んでみた街の人は皆、上を見てみますが…。

通行人「見えないですね」

別の通行人「いや、見えないです」

法華寺・石垣一鳳住職:
「私たちもやっぱり身近なことがよくわからないということがよくありますのでね、自分を見つめてみるということだろうと思いますね」

 若者の街・栄のお寺にも…。

<生きるとは 生かされているんだと知ることだ>

若者2人:
「良い言葉だと思います」
「俺ら親に生かされてる。生活費払ってもらってるし。養ってもらってる」

 岐阜県各務原市の桃林寺には…。

<臭い銀杏も 外身を取って洗えば 核は美味し>

銀杏も中身、人も中身…。深いです。

■わずか7文字…住職「シンプルで強烈」

 同じく岐阜県の郡上市、願蓮寺には、ネット上で大きな反響を呼んだ言葉を掲げたお寺があります

読んだ通行人の女性:
「びっくりしたな!二度見したもん(笑)」

読んだ別の通行人の女性:
「なんか……怖いな…(笑)」

 道行く人が驚きの声をあげる、その言葉とは…。

<おまえも 死ぬぞ>

 一瞬耳を疑うこの言葉が、ツイッターに投稿されると反応が…

(ツイッター上の反応)
「直球すぎます…!」
「すごいな。まぁ真実なわけだが」
「気合いぶっこんで生きていけ!って事だな」

 言葉の真意をお寺の住職に聞いてみました。

願蓮寺・石神明住職:
「私たち、いま生きているこの命もまさしくいつどうなっていくかわからないそんな命。だからお前も死ぬぞというのはいわゆる諸行無常というその言葉をわかりやすく、そういう意味合いでこの言葉を掲示させていただいてます。シンプルな言葉で強烈」

 住職になって40年、月に1回のペースで掲示板に様々な言葉を掲げてきました。

石神住職:
「真剣に人生の悩み、いろんな問題抱えながら教えに触れたいと思うこともあると思うんだよね。この門前の言葉を読みながらその教えを考えていただくと、より一層言葉を選んで掲示していかなければと思います」