給食のメニューでもよく出された「コッペパン」。「懐かしい」という感覚の方も多いと思いますが、今そのコッペパンが懐かしさと新しさで全国的にブームとなっているんです。
中でも独自の進化を遂げつつあるのが名古屋。まるで「お弁当」のようなコッペパンが人気に!名古屋めしとコッペパンの意外な関係とは…?
■コッペパン専門店が続々と
コッペパンの印象を街で聞いてみると…。
若い女性:「ザ・給食ってイメージ」
年配の男性:「懐かしいですね」
別の女性:「昔懐かしいイメージです」

街で聞くと懐かしい、という声も多かったコッペパン。昭和10年代に学校の給食用に作られ、柔らかい食感から子供達に人気に。その後は、菓子パンなどのブームに押され、一時、表舞台から姿を消していました。
しかし、そのコッペパンにいま再び脚光が…。

やってきたのは名古屋駅の名鉄百貨店。
(上山真未アナウンサーリポート)
「改札出てすぐのお店のショーケースにコッペパンがたくさん並んでいます。フルーツやホイップがたくさん入っていて、これまでのジャムを塗っていたイメージと違いますね」
コメダ珈琲が手掛けるコッペパンの専門店。去年オープンして、1年で全国に13店舗を展開、11月には栄にも新店がオープンという人気ぶりなんです。

1日に2000本売れることもあるというこちらのコッペパン。パンは全て自家製で、メニューはコメダと同じ餡を使った小倉マーガリンや、季節限定のかぼちゃ&ホイップなど約20種類あります。
1番人気の小倉マーガリンは、ふわふわ、しっとり。コメダの喫茶店を思い出すマーガリンとあんこの組合せで、コメダ好きにはたまらない味です。

そしてかぼちゃとホイップを使ったコッペパンは、色合いが綺麗で写真撮りたくなる一品。かぼちゃのホクホク感をホイップがパンとうまくつないでくれます。
この店のコッペパンの特徴は、「見た目が真っ白」なこと。
コメダ珈琲店・広報担当者:
「白いというのもビックリされますし、ある世代には懐かしいものですし、若い世代には新鮮に見ていただけます」
実は、この「見た目」がコッペパンブーム再燃の大きな理由の1つなんです。11月に名古屋で開かれるパンマルシェなど全国でパンのイベントを手掛けるプロデューサーは…。
パンマルシェプロデューサー石臥博代さん:
「コッペパンがカスタマイズされて、どんどん自分の好きなパンになっていくのが楽しいから広まったんだと思います。(見た目も)可愛いんですよ、目がついていたり、ウインナーがあったり、その土地によって合わせているんだと思います」
中にはさむ具材次第で、インパクトのある写真が撮れるという、いわゆる「インスタ映え」も影響しているようです。味ももちろんのこと、SNSとの相性がいいのが若者にも受けています。

■名古屋で独自の進化!?
そんな人気のコッペパン、実は名古屋で独自の進化を遂げていると聞き、やってきたのは9月末にオープンしたばかり名古屋グローバルゲートの「あっぱれ家康」。
ショーウインドには、エビフライがのったコッペパンに、鉄板ナポリタンがのったコッペパンも…。まさに名古屋めしコラボになっているんです。

インパクトのある見た目のメニューがズラリ!名古屋めしをはさみ、総菜パンというよりは、まるでお弁当のよう。この店でも、パンは自家製。生地から手づくり。お店で焼き立てを提供しているんですが、作り方もダイナミック!
北海道産のつぶあんの上にバターをのせて、バーナーで豪快にあぶった「溶かしあんバター」。

店の一番人気は、ナスを八丁味噌で仕上げた「なす味噌チキン」です。
そして、海老フライを1尾丸ごと使って、上からマヨネーズとソースをたっぷりかけた「シャチホコえびふりゃー」

極めつけが「鉄板ナポリタン」。メニュー名はそのまま、ウインナーまで入った1人前80グラムのナポリタンスパをふわふわの卵を敷いたパンにはさみ込んだ、ボリューム満点のメニューです。コッペパンから溢れんばかりのナポリタンと卵が特徴です。
少しやり過ぎ感も漂う名古屋めしとのコンビネーションですが、実は主張しすぎないコッペパンが濃い味付けの名古屋めしとよく合います。

パンマルシェプロデューサー石臥博代さん:
「お店がこだわりとして、名古屋に合わせた具材にしているので、さらにみなさんに好まれるような形で進出できたから増えてきたと思います」
独自の進化を遂げつつある名古屋のコッペパン、お惣菜パンの概念を越え、「お弁当」パンとでもいえそうなメニューが今後増えていくかもしれません。