名古屋城本丸御殿、今年の6月に完成してから多くの観光客で賑わっています。この完成を記念して、尾張徳川家のお殿様が味わっていた料理が再現されました。江戸時代の”武家のご馳走”とはどんなお味なのでしょうか。

(高橋知幸アナウンサー)
「6月に完成復元された本丸御殿です。今回は料理も『復元』されました。当時の人はどんな料理を食べていたんでしょうか」

 名古屋城本丸御殿。17日に公開されたのは江戸時代、尾張徳川家で城主、つまりお殿様が実際に食べていた食事を再現した、その名も「饗応御膳」です。

(高橋アナ)
「品数も豊富でいろんな食材が使われています」

 当時の文献を参考に、将軍家に献上されていた尾張藩の名産品などを使ったこの御膳。愛知県愛西市でとれたレンコンや、家康の大好物のナスを使った煮物。そして尾張の特産品、「宮重大根」のお椀は、朝廷にも献上されていた大根に、八丁味噌の上澄みをあわせました。

 見た目は、現代の和食の懐石料理とあまり変わりませんが…。

(高橋アナ)
「すーっと染み込みますね…。八丁味噌を使った味噌汁ですが、けっして味も濃いことはないですね。大根を噛んでいると、ほろほろとなくなっていきます。八丁味噌が染み込んでおいしいです」

 器も、名古屋城の中の窯で焼いた「御深井焼(おふけやき)」を使うなど、こだわりがたっぷりです。

 9年にわたる復元工事を終えて、今年6月にようやく完成した本丸御殿。将軍謁見の間の「上洛殿(じょうらくでん)」など絢爛豪華な装飾が注目を集めていて、名古屋の新たな観光名所として人気になっていました。

 17日、本丸御殿には歌手の五木ひろしさんも登場。

五木ひろしさん:
「僕も和服を着てこればよかったな(笑)」

 上洛殿や表書院を見学した後、御膳の味に舌鼓をうちました。

五木さん:
「(鱸がらみを食べて)白身の刺身は大好きですけど、数の子との合わせが絶品ですね。家康公になった気分です」

 本丸御殿の完成を記念して再現された、この「饗応御膳」。来年1月から期間限定で提供されるということで、皆さんも、お殿さまの気分を楽しんでみてはいかがでしょうか。